兄弟神におわれて黄泉(よみ)の国へのがれた大国主(おおくにぬし)の命(みこと)は、須佐之男(すさのお)の命(みこと)の娘、須勢理姫(すせりひめ)と出会い、おたがいにひかれるのですが……。
古事記。
『いなばのしろうさぎ』で兄たちに追われた大国主の命が、祖先である須佐之男の命が治める国に逃げてきます。そこで大国主の命は須佐之男の命の娘、須勢理姫と恋に落ちます。
暴れん坊だった須佐之男の命がすっかり年をとっていて、愛娘をとられまいと若者に挑む姿、最後には若い二人を認めて祝福する姿に胸を打たれます。
大国主の命に課せられる数々の難題は、耳で聞くとなかなかに気持ち悪いのですが、絵が美しさが気持ち悪さを軽くしてくれている気がします。そして、最後のページの須佐之男の命の姿がいいな、と思いました。
手元に置いておきたい、一冊です。 (こはこはくさん 50代・ママ 男の子11歳)
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