その絵の雰囲気に違わず、何と可愛らしく健気なお話でしょう。 舞台はタイの山あいの村。ここには、女の人が傘に絵付けをするという伝統があります。 毎年お正月には、村いちばんの絵付けをした人が「かさの女王さま」として選ばれ、 盛大なかさ行列をするのです。小さなヌットも、そんな姿に憧れている女の子です。 とうとうおかあさんの許しを得て、絵付けの仕事を任されるようになったヌット。 楽しいままに描いているうちに、気がつくと傘は「ゾウ」の絵でいっぱいになっていて・・・。
物語は、心を込めて絵を描いたヌットの絵が認められる全編を通して温かく優しいお話です。 でもこのお話の良さは、それぞれの登場人物の誠実さにあるのではないでしょうか。 ヌットの絵の才能を早くに認め、仕事を任せるおかあさん。 ゾウの絵が好きでも、仕事として「花とチョウ」の絵付けをこなしていくヌット。 村をまわり自らの目で丹念に「素晴らしい傘」を探す王さま。 そんな王さまに質問されたからこそ、ヌットは本心をしゃべる事ができます。 「わたくしはゾウがすきなのでございます。」 清楚で気持ちの良い絵本です。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
タイの山あいに、何百年ものあいだ、かさを作りつづけてきた村がありました。 この村ではお正月になると、いちばん絵つけが上手なひとを「かさの女王さま」に選びます。 ヌットも自分で絵つけをしたくなり、お母さんたちに教えてもらいますが、 本当にかきたいのは伝統的な花や蝶の絵でありませんでした。
拍子の雰囲気が心に響いたのでこの絵本を選びました。将来毎年世界1週を考えていますがこの絵本に登場する村にも絶対に言ってみたいと思いました。素晴らしい伝統技術と誇り高い意識を持つ村人たちに魅せられてしまいました。傘作りを通して色々な事を学んでいく主人公がかっこよかったです。 (なびころさん 30代・ママ 女の子3歳)
|