暑い暑いところから、がおがおがお〜んとやってきたのは、らいおんさん!
くじらにのって、氷の国にやってきました。
ひゃ〜 すずしい。がおがお がお〜ん。
らいおんさん、ごきげんです。
待っていたのは、氷の国にすむ、しろくまさんや、あざらしさん一家。
「あ、らいおんさんだ まってたよ〜 いっしょにあそぼう」
みんなで氷の山をそりすべり。らいおさんもすべります。
いっぱいいっぱい、あそびます。
おひさまが海にしずむころ、しろくまさんが得意のあなほりで、ほりほりしはじめました。
そして……み〜んな入れるくらいおおきい、かまくらをつくってくれましたよ!
かまくらのなかで何をするのかな?
楽しい夜。すずしい夜。
空には、どどど〜ん ぱっ! と花火があがります。
わ〜、いいなあ、と、うらやましくてため息が出ちゃう。
夏の楽しみと、冬の楽しみがいっぺんに味わえるなんて。
とおいところに住むともだちと、勢揃いしてこんなふうに一日が過ごせちゃうなんて。
なんて幸せなんでしょう!
作者は、「ももんちゃん」シリーズで大人気のとよたかずひこさん。
ちょっと丸みをおびた線で描かれる動物たちが、いきいきと絵のなかでうごきまわっています。
らいおんさんが背中にしょっていた緑のリュックには、ちゃんと理由があったのですね。
絵を見て楽しい、声に出して楽しい、とよたかずひこワールドの虜になっちゃいそうな作品です。
夢のような夏の夜に、ひたってくださいね。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
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