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知恵遅れの青年、虔十は、一生に一度の自発的な意志で杉苗七百本を荒地に植えた?。人間の在り方を考えさせる傑作童話。
読みながら、複雑な気持の高まりを覚えました。世の中いつも、周囲に合わせないと前に進めない息苦しさをはらんでいる、と感じるものですから。虔十のひととなりに、ひかれていくことが辛く、本当はどこかうれしいのでした。
「ああまったくたれがかしこく、たれがかしこくないかはわかりません」という文章にうなずきます。どうして人はと、考えたくなる話なのです。宮沢賢治という底知れないひとを、もっと知りたいと思える話なのです。ほんとうのしあわせを、私たちはこころから話し合って、考えなければいけないと。まるで仏様のお話のようでした。感謝 (もゆらさん 50代・その他の方 )
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