パンツくん?しかも、履いているのはトイレトレーニングをしている小さな少年でもなく明らかにメガネをかけた小学生には見える少年のパンツ姿。
表紙を見れば、この絵本は、何か訴えかけるものがあるのだということはわかります。
友達もいなくて、恥ずかしがり屋で自信がない、少年はこのぱんつ君と出会い、少しずつ成長していきます。
毎日一緒に過ごすうち、とうとう別れの日も来ます。
必死に探し当てたパンツくんから、今日でお別れにしようと切り出され、途方にくれるのですが、成長した少年は前に向いて歩いていきます。
誰を対象にしているのかな?小学生、実は中学生向けなのかな?それとも大人に何か語り掛けているのかな?
作者の思いは最後まではっきりとはわかりませんでしたが、伝わってくるものがありました。
人間、だれしも不安を抱え、乗り越えられないときは、何かの力を借りて成長していきます。
でも、時がたてば、自分の力で歩いて行ける時が来ますよね。
最後のシーンでは、あの背中の丸まったパンツ君もブリーフを卒業してトランクスになり、前よりもしっかりと前を向いて背中が頼もしく見えました。