終戦の年に戦死した中島健児さんの人生と、遺族を語るファミリーヒストリーのような記録絵本です。
小学校の低学年時に、日本は中国との戦争を始めました。
健児さんは軍事教育の中で、軍国思想を培っていきます。
そして海軍兵学校に入り…と読んでいった時に驚愕させられました。
私の父は1年違いで同じ道を歩んでいたのです。
同じく海軍兵学校に入り、健児さんは特殊攻撃で亡くなり、父は攻撃の前に終戦を迎えました。
父に染みついていた報国の精神は、このような時代背景に培われていたのだと思うと、社会の怖さも感じます。
この本では、健児さんが家族に送った手紙がいくつも紹介されています。
健児さんの心情とともに、戦争を考える時間が生まれます。
そして残された遺族の戦技の困難も語っています。
健児さんを知らない姪が、フィリピンのコレヒドール島に慰霊に行くところまでを含めてまとめられています。
「健児さんとその家族にとっての戦争」で、改めて戦争を考える時間を与えてくれました。