
ころんとした体つきで、真っ赤な水玉ショールを頭にかぶったマトリョーシカ。 ぱっちりおめめの赤いマトリョーシカから、ぽんと飛び出すように出てきたのは……。 「こんにちは!」と緑のマトリョーシカ。 次は緑のマトリョーシカから……?
マトリョーシカから次々小さなマトリョーシカが出てきて、最後は思わぬものが飛び出します。 白くて冷たくて、あれれ? 「あなたはだあれ?」 たしかに形はマトリョーシカにそっくりだけど!
マトリョーシカは、素朴な形の愛らしさと、入れ子になった中から現れるものの驚きが心地よい、ロシアの民族玩具です。 その丸っこい体をすぽんとあけると、いったい中に何が入っているのか、何が出てくるのか。 わが家の娘も、1歳くらいの頃にマトリョーシカが大好きでしたが、きっと、いないいないばあのように、中から顔が現れるおもしろさがあるのでしょうね。
本書もいないいないばあのような繰り返しの展開が楽しめます。 これまでは読み物の挿絵のお仕事をされてきた、岩清水さやかさんによる、はじめての絵本。 0、1、2歳のお子さんにぜひどうぞ。
(大和田佳世 絵本ナビライター)

ロシアの代表的な民芸品で、日本でも人気があるマトリョーシカが、 赤ちゃん絵本になりました! 赤いマトリョーシカから緑のマトリョーシカがこんにちは! いちばん小さなマトリョーシカから出てきたのは、 なんと雪の世界からきたゆきだるまでした。 この絵本にかくされているテーマは、自己の内面の多面性、無限性、 そして、他者とのつながりの重要性、これらをマトリョーシカ人形を 使って象徴的に描いています。

絵がはっきりしていて、テキストも短いので、小さいお子さんにはお薦めです。
タイトルでわかる様に絵本に登場するのは、主に人形の「マトリョーシカ」なので、小中学生の読み聞かせなどに使っても、面白そうです。
最後に登場する雪だるまが
「わたしは ゆきだるま ゆきの くにから きたよ」
と自己紹介するとき、マトリョーシカたちの方をしっかり見て、ちょっとかがみ気味に挨拶しているところが可愛くて、好感が持てます。
気軽に読めるのに、インパクトがあって楽しい作品です。
ぜひ、一度手にとってみてみてください。 (てんぐざるさん 50代・ママ 女の子20歳)
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