朝です。ポンちゃんは赤いぼうしをかぶって、新しい靴をはき、リュックにおやつを入れて、学校へ出発! あれ、ポンちゃんの学校は来年からじゃなかった? そうです。だからポンちゃんは、仲良しの動物たちが通う小学校に見学に行くんです。
まずはネズミのチュウチュウ小学校。次は、丘の下のウサギのピョンピョン小学校。カエルの小学校は図工、キツネの小学校は体育の真っ最中。クマの学校はちょうどお昼ごはんの時間で、ポンちゃんも給食をぺろりとたいらげます。さぁ、お次はどこかな……。
「小学校ってどんなところかな?」 入学前は誰もがドキドキ、そわそわ。そんな気持ちが、ポンちゃんといっしょに10 種類もの動物たちの学校を見るうちに、「楽しみ!」な気持ちに変わるかもしれません。
カナダ、ケベック州・モントリオール出身の作家、マリアンヌ・デュブクの絵本。大きな画面すみずみまでかわいい動物が描かれ、おしゃべりのセリフもいっぱい。建物や教室内の道具も素敵だし、誰がどんなことをしているのかな、と子どもと話しながら絵本をめくる時間は、それだけで宝物! 想像を膨らませて絵本の世界に入っていけますよ。
いろんな学校の一日を見ておうちに帰ってきたポンちゃんを迎えてくれるのは、モモちゃん。お母さんやお父さんとはちょっとちがった雰囲気で、学校を探検してきたポンちゃんの報告を、楽しそうに聞いてくれます。こんな学校、あったらいいなぁ……。きっと何度眺めてもわくわくする絵本です。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
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