表紙いっぱいに描かれたホットケーキの上にバターが溶けて……おいしそう!
ページをめくると、フライパンの上に、ふつふつ穴があいたホットケーキ。ちょうど焼けているところです。
じつは出てくるおいしそうなものは……?
ぜーんぶ、手作りおやつ!
といってもむずかしいものじゃありません。
「ふとっちょ ごろりん さつまいも
ママが おいしくしてくれる
きょうの おやつは なんだろな?」
スイートポテトに、ふかしいも。
ええ、もちろん、ふかしただけのおいもだってりっぱなおやつです。
「おひさまいろの元気なにんじん」は、ジュースにゼリーににんじんケーキ。
とうもろこしは、焼いただけの、やきとうもろこしも!
「きょうの おやつは なんだろな?」
「ママのおやつがだーいすき」
くりかえされる言葉のリズムのあいまに、おやつが次々登場します。
そうそう、昔はおやつってこういう手作りの素朴なものでしたよね。
おもちだっておやつだし。
野菜だっておやつ。
小麦粉に卵を入れてかきまぜれば……ほらね、いろいろできちゃうんです!
さて、最後はなにができるかな?
作者のふじもとのりこさんが色鉛筆を繊細に重ねて描き出したタッチに、子どもだけでなく、大人もきっと「うわあ、おいしそう」とお腹を刺激されるにちがいありません。
市販のおやつにはない、手作りおやつならではの、シンプルであったか〜いおいしさ。
忙しい日常のなかでもかんたんに作れるおやつにチャレンジしてもらえたら、という作者のねがいがこめられているそうです。
実際にふじもとのりこさんも、ひとつひとつ手作りして、絵を描いたそうですよ!
「きょうの おやつは なんだろな?」
まずは絵本で、好きなおやつを見つけてくださいね。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
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