この本を開くまで、いつも食べているにんじんがアフガニスタン原産だなんて思いもしませんでした。
主人公の女の子がおばあちゃんのうちに遊びに行ったのをきっかけに、にんじんに興味をもち、いろいろと調べ始めるという筋書きです。
原産地のアフガニスタンでは、赤や黄色、紫などのさまざまな色があり、シルクロードをたどって東西に伝わっていきます。
中国づてに日本にはじめて入ってきたのは、江戸時代の初期。
でも、現在日常的に食べているオレンジ色のにんじんは、西欧を経由してさらに時代が下ってから日本に入ってきているのです。
歴史の流れだけでなく、栄養やにんじんを使った郷土料理、栽培、その他のセリ科の野菜などなど、話題の幅は大きく広がります。
にんじんだけで、こんなに濃厚な本ができてしまうなんて。
すみずみまで「知らなかった!」が満載でした。
時間をかけて読む価値のある一冊です。
(てらしまちはる ライター/こどもアプリ研究家)
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