卵からうまれたむしのあかちゃんが大きくなって、卵をうむまでを描くいのちの物語「むしのたまご」シリーズ。
今回の主人公は、子どもたちに大人気の「かぶとむし」です。
かぶとむしぶんぶんちゃんの一生を追いながら、かぶとむしの生態についても学ぶことができます。
かぶとむしは飛ぶけれど、とまるのが下手なこと。
メスはツノがなく土に潜りやすいので、柔らかく栄養のある土の中で卵を生むことができること。
などなど…知っているようで知らなかったかぶとむしの特徴を、いろいろと発見できます。
作者は、「インタープリター」(自然解説員)として長年活動され、自然公園や幼稚園・保育園などで自然あそびのワークショップなども行っている、ねもとまゆみさん。
お話を読みながら、かぶとむしと同じ目線になって見たり感じたりすることができ、本当にねもとさんのワークショップに参加しているような満足感を得られます。
夏のおうさまとも言われるかぶとむしですが、実は冬も春もかなりドラマチック。
長い時間眠り、土をいっぱい食べ、羽化に向けて懸命に成長する姿を見ていると、ますますかぶとむしのことが好きになるはずです。
そうして今度また夏にかぶとむしに出会ったら、その感動はもっともっと大きくなるでしょう。
(出合聡美 絵本ナビライター)
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