ぼくはトイレでおしっこをしたとき考えた。「ぼくのおしっこやうんこはどこにいくの?」そんなぼくの素朴な疑問に答えるため、「よーし、それじゃ、たんけんだ」お父さんはぼくを連れ、下水道の旅へ出かけます。ふたりは小さくなってトイレの中に飛び込み、排水管を通り下水道管へ。下水道にはいろんなところから水が流れてきます。家で使う水も雨水も。どんどん水が集まって、行き着いた先は水再生センター。ここで下水のきたない水を、1日かけてきれいな水に変えていくのです。
こちらは『いき』『あみ』『いし』と続いた「中川ひろたかさんのせいかつかがく絵本」シリーズの4作目。身近なことを掘り下げ、自然の不思議や人の文化に触れるシリーズです。毎回違った人気作家さんがイラストを描いていますが、今回絵を担当するのはイラストレーターのカワチ・レンさん。「こんなきれいな下水道は見たことない」と中川さんんが語るほど、カラフルでおしゃれな作品に仕上がっています。
おしっこやうんこというちょっと敬遠したくなるテーマを、ポップに楽しく学ぶことができるというのはうれしいことですね。「反応槽」「塩素接触槽」など、難しい名前も出てきますが、おとうさんが丁寧にわかりやすく説明してくれますよ。ユーモアたっぷりに語られた下水道の世界を、ぜひ親子で覗いてみてください。
「たのしかったよ、おとうさん。でも、どうやっておうちにかえるの?」その答えは裏表紙まで読むとわかります。
(出合聡美 絵本ナビライター)
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