
イランの新年「ノウルーズ」は「春分」から始まります。 新年まで、あとわずか。街は活気にあふれ、人々は急ぎ足。新年のお祝いに間に合うよう、誰もが急いでいます。でも、そんななかで足止めされた子どもたちがいます。 床屋で順番待ちの男の子、仕立て屋のベルを押し続ける女の子、花が売れず肩を落とす兄妹……。子どもたちの物語が交わったとき、小さな奇跡が訪れます。
本書は、世界の隠れた名作をお届けする「世界と出会う絵本」シリーズの第2 弾です。

絵本を広げてみると登場してくる3組のこどもたちが、ちょっと困っているんです。一人は、あと2時間で新年を迎えるというのに、床屋さんでなかなか回ってこない自分の番に困っています。次に困っている子は、新年の為に作ってもらった服を取りに行くのですが、呼び鈴が壊れていて、なかなか耳の遠い家の人に気付いてもらえない! 3組目は路上で花を売っている兄妹です。みんなが新年の為に家路を急いでいる中、花を買ってくれる人が現れません。
でも、みんなどうにか、家族で新年を迎えることができます。よかった、よかった。
イランの新年が春分の日だなんて知らなかったし、なんて言っても、私の目を引いたのが、たくさんの人が金魚を手にしているところです。
イランで金魚ってそんなに人気あるの? ペットなの?と
素朴に感じてしまいます。赤い金魚を愛でるのは、勝手に日本くらいかと思っていましたが、その理由が絵本の最後の解説みたいな文に載っていて、ほほうと思いました。
そういえば、遠い昔、「運動靴と赤い金魚」というイラン映画を見たことがあったなぁ。
イランでもお正月には色々なものをそろえるそうです。
国際理解につながる絵本だと思います。
訳者の愛甲さんは、もう一人の方とイランの絵本を日本に紹介する活動をしているそうです。
色々な意味で日本と本当はかかわりがある国なのに、あまりに私たちはイランのことを知らなすぎるので、愛甲さんたちの活動がとてもありがたいなと思いました。
(汐見台3丁目さん 50代・ママ )
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