4年3組、隣の席のかわのさん。
青いセーターが似合って、鉛筆のきれいなかわのさん。
だんごむしが大好きで、かけっこが得意で、授業中はいつも手をあげるかわのさん。
ぼくがいつも気にしていた、かわのさん。
そのかわのさんが、南の町へ引っ越していくことになった。
そのとたん涙があふれ、ぼくの心がつぶやいていた。
(……かおりちゃん)
小さい頃から仲良しだった「かおりちゃん」。4年生になった今でも、心の中ではずっとかおりちゃんと呼び続けていた「ぼく」。自分の中の淡い恋心に気がついたのは、いつのことだったのか。
少年の心の中で鮮明に残り続ける「初恋の景色」を、詩人で絵本作家の内田麟太郎さんの言葉と、今注目のイラストレーター・絵本作家の楓真知子さんによって、いきいきと描きだされたこの絵本。ぼくの視線の先にいるかおりちゃんの佇まいや、キリッとした横顔。走る姿や思い切りのよい変顔。きちんしたおじぎ。あまりにも魅力的な場面の連続に、読者の心の中にもその存在がいつまでも残っていくのです。
誰もが体験する初恋の甘酸っぱい記憶に重ねていくように、丁寧に描かれたこの一冊。かおりちゃん、今も元気でいるのかな。時々思い出してしまいそうです。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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小さいころ、かおりちゃんとぼくは仲良しだった。小学生になったら、かおりちゃんのことを「かわのさん」と呼ぶようになったけど、心の中ではずっと「かおりちゃん」だった。ある日、かわのさんが南の町に引っ越すことになって――。詩人で絵本作家の内田麟太郎さんが紡いだ淡い少年の思いを、イラストレーターの楓真知子さんがいきいきと描く。
【著者プロフィール】
●内田麟太郎
1941年、福岡県大牟田市生まれ。
詩人、絵詞作家。
『さかさまライオン』(絵・長新太、童心社)で絵本にっぽん賞、『うそつきのつき』(絵・荒井良二、文渓堂)で小学館児童出版文化賞、『がたごと がたごと』(絵・西村繁男、童心社)で日本絵本賞を受賞。
故郷に、大牟田市ともだちや絵本美術館がある。
●楓真知子
大阪府生まれ。イラストレーター。
絵本に『たびにでた』『ねこねむる』『トランポリンがありました』(絵本館)がある。
ボローニャ国際絵本原画展2026入選。
素直な気持ちで描くよう心がけている。
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