
ベテラン脚本家・宮内婦貴子と俳優・奥田瑛二のコンビが、めぐりめぐる生命のふしぎさを桜の木と旅人を通して描いた絵本。

幼い頃の私は「本読んで」と
ずいぶんねだったのだと聞かされていたので
あと数週間と言われた母の枕もとで
面会の度、絵本を読んできいてもらっていました。
こんどは私がお返しねと
きいてもらっていました。
そうしてお通夜の晩には
38年前に父が亡くなった時
従姉が母に贈ってくれたこの本を
棺の中で眠る母に読みました。
憶えているか、思い出せるかわからないけれど
めぐり巡ってまた逢おうねと読みました。
こんな心にしみこむような包み込むような黄色
たんぽぽの花か菜の花かひまわりか
それともやわらかな日差しか
そんな色のあたたかな光が迎えにきてくれたんだよね。
(白井音子さん 60代・その他の方 )
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