
1942年、東京は初空襲を受け、その後本格的に空襲が始まるまで2年半、空襲の空白期間でした。その「間」政府や街の人たちは「空襲」をどう思っていたのでしょう。街の様子はどう変わっていったのでしょう。空襲は突然やってきたのではありません。なぜ、空襲を避けることができなかったのか、事実からわたしたちが学べることを考えます。

戦後80年という節目に、その時の日本を考えるためにとても重い図書だと思います。
シリーズの2巻では、あの大空襲を予測できたことを感じました。
日本にアメリカ軍の空襲があったのは、実に真珠湾攻撃の4か月後でした。
華々しい戦果を伝え続けながら、日本は来たるべきアメリカ軍の攻撃に備えて、様々な方策を打ち出し続けます。
その生々しさに驚くような内容でした。
庶民の生活の推移、学童疎開、障害者に対する施策等々、ひとつひとつが冷静に戦争を振り返る要因として、簡潔にまとめられています。
中でも目に止まったのは、東京大空襲の一月前に近衛文麿首相が天皇に宛てた上奏文でした。
その中で具申された戦争終結に対して、もう一度戦果を上げてからでないと交渉はまとまらないだろうとの回答が出されたと言います。
この「判断ミス」が多くの人々の生命を奪ったとすれば、いたたまれない気持ちになります。
なかなか戦争を終結できない現実を、今も目にしているのですから。
平和を考えるための要素が凝縮された書籍でした。
(ヒラP21さん 70代以上・その他の方 )
|