おはなしは、しまふくろうの結婚式から始まります。
そして、子育てをして、寿命が尽きるまで。
誰だって、幸せな日々が長くいつまでも続いていってほしいと願う。
しかし、命には寿命があって、やがて悲しい別れもやってくる。
優しかったおすだけに、めすの悲しみは深い。
めすが見る幻からも、その悲しみが伝わってくる。
厳しい自然環境の中で、様々な動物たちが今日も懸命に生きています。
その姿を見て、われわれは学ぶべきものがいっぱいあります。
しまふくろうの生き生きとした姿は、生きる喜びで満ち溢れています。
力を合わせて喜び分かち合う夫婦の愛。
やがてやってくるしまふくろうの寿命。
死がおとずれ、その死によってまた、生きるものがいる。
残されたものの悲しみと、死を受け入れること。
悲しいけれど、めすも寿命尽きるまで、頑張って生きてほしい。
美しい版画で、北海道の自然に生きる動物たちを描く手島圭三郎さんは、
娘も、私も好きな作家さんのひとりです。