佐木隆三さんの少年時代の回想記となっています。
昭和20年、8歳の軍国少年は、「国のために命をささげます」などと記しています。
でも、戦況が悪化する中、広島原爆の日を迎えます。
爆心地から50キロほど離れただけの地で、
キノコ雲を目撃し、親戚が行方不明、身近な人が火傷の手当てに奔走したり、
山積みの死体を焼く任務だったり。
そんな経験から、軍国少年は命の大切さを実感するのです。
淡々とした事実が重いですが、やはり何よりのメッセージです。
原発事故後に出版されたということもあり、
「原子力をコントロールする力はヒトにはないはずである。」という
あとがきの黒田征太郎さんの言葉も心に留めたいです。