作者のエルサ・エスコフは、1874年にスウェーデンのストックホルムに生まれた絵本作家。
この作品は1912年のもので、日本では1976年に訳されて出版されています。
お話は、羊を飼っているペレという少年が、羊の毛を刈り取るところから始まります。
そして、近所の人たちに協力してもらい、青い服を手に入れるまでを描いています。
お金さえあれば、服が手に入るとしか知らない子供たちに、一番基本的な労働の対価として物を入手できるという経済原則を優しく教えてくれます。
それも、自分が出来る範疇の対価ですから、とても馴染みやすいのではないでしょうか。
お返しの労働が、草取りであったりお使いであったりというのは、形は違えど私にも経験があり、昔は上手く実地で学ばせていたのだと考え深いものがあります。
スェーデンの美しい自然を背景に、ペレの労働が生き生きと描かれていて胸をうつことでしょう。
子供に自発を促すにも良い教材です。
物を得ることの大切さを訴える珠玉の一冊だと思います。