子どもたちだって大変です。
夏やすみでも冬やすみでも春やすみでも、大嫌いな宿題があります。
小学二年生のつよしだって、そう。冬やすみの宿題は、「詩」を書くこと。担任の先生が夏休みにつづいて、文集を作ろうとがんばっています。
でも、つよしには「詩」がどんなものかよくわかりません。せっかくできた「詩」もお母さんの大反対にあってボツになります。「かあちゃんの ケツは でかい」と書いたからかもしれません。
つよしはおかあさんと一緒に町の商店街にでかけます。そこでみかけた光景を「詩」にしてみます。でも、やっぱりおかあさんの猛反対にあって、ボツ。
もう、なんでやねん。
大阪弁で書かれたユニークな童話。ことばがいきいきととび跳ねているのは、大阪弁の力が大変効いています。
さまざまな風景をいろいろ観察することで、主人公のつよし少年は、「とっておきの詩」にちかづいていきます。
文中になにげなく挿入されている詩ですが、子どもたちはこんなふうにしてものごとを言葉にしていくのだとすいこまれます。そして、子どもたちの素直な表現が、おとなになる知恵を背負い込んで、かざったり嘘をまじえたりゆがんでいくようで、すこし残念です。
できれば、かぎのかかるひきだしにしまった子ども時代の「とっておきの詩」にみなさんが出あえたら、とっても素敵なんですが。