ミレルの「まぬけのイワン」は本国では2社から出版されており、こちらはALBATROS版の翻訳本です。もうひとつのSNDK版は内容そのものはほぼ同じですが、サイズやレイアウトが異なります。
さてお話しですが、今風で言うと「天然」なイワンは、不器用で失敗も色々するけれど、その親しみやすさで周りの人たちから愛されていくという内容です。
イワンはとても純粋で優しいんですね。
だから応援したくなってしまう。
計算も何もないイワンのありのままの生き方は、まねをしようとしてもできない、信念のようなものも感じます。
そのうえミレルの挿絵のかわいさ!
クルテクシリーズのような輪郭線を取らない描き方はより絵本らしく、やさしく、イワンの雰囲気そのもの。
それもただ可愛いだけでなく、ド派手なオンドリや4つもツノがあるカタツムリ、ヒョウ柄模様のロバ・・・
普通だったら、そんなのありえない!と思うようなミレルのオリジナルの動物たちが、自然に物語に溶け込んでいます。
繰り返し読むうちに味が出てくる、そんな絵本です。