壮大なコラージュ絵本です。
何よりも、オオソリハシシギの世界をめぐる移動をあらゆる角度から楽しませてくれる壮大なコラージュに引き込まれます。
その中で、地球環境の変化で、オオソリハシシギの休める場所が減ってきていることを知らされました。
彼らにとって住みにくい地球になりつつあるということを、感じました。
ジーニー・ベイカーは、10年間かけてオオソリハシシギの生態をリサーチしたと言います。
それだけに強い説得力を感じます。
自然の素材を活かしたこだわりのあるコラージュ作品だということは、自然環境を護るというベイカーに対する熱い想いの表われでしょうか。
伏線のように車椅子の少年が登場します。
自分も跳べたら良いのにと思う少年にとって、渡り鳥の飛翔は憧れでしょう。
車イスの少年に見送られて羽ばたいたオオソリハシシギは、地球を一周して少年の住む場所に戻って来ました。
少年が松葉杖で、走ろうとしているところに胸を熱くしました。
少年も鳥たちと一緒に、自分の空を飛びたいのです。
少年の未来に期待したいと思います。