くまとやまねこ」 みんなの声

くまとやまねこ 作:湯本 香樹実
絵:酒井 駒子
出版社:河出書房新社
税込価格:\1,430
発行日:2008年04月
ISBN:9784309270074
評価スコア 4.72
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みんなの声 総数 70
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  • 悲しみを理解してくれる存在との出会い。

    • ちょし★さん
    • 30代
    • ママ
    • 熊本県
    • 男の子10歳、男の子9歳、男の子8歳

    なかよしの小鳥を失った熊の悲しみから、お話は始まります。
    花を敷き詰めた箱に亡骸を入れて、肌身離さず持ち歩く熊。

    そんな熊に、他の動物たちは憐れみを感じつつも戸惑い、熊の方もかけられた励ましの言葉に対して心を閉ざしてしまう・・・。

    その様は
    「愛する者を失った悲しみは 本人にしかわからない」という真理を表している気がします。

    周りがどんなに心配し励ましても、自分で乗り越えなければならない悲しみ。

    多分同じように悲しみを経験しているやまねこと出合い、理解してもらう事で 初めて「小鳥の死」と向き合えたのでしょう。

    この絵本は「死」が大きな題材になっています。
    ですがそれに限らず、心に負った傷を癒せるのは、励ましよりも共感し理解してくれる言葉です。

    やまねこのタンバリンは誰の持ち物だったのか...?
    熊がそれを聞かなかったのも、とても印象的で切なくも優しい場面です。

    子どもが大人と同じように 感じ取ってくれるとは限りませんが、悲しくてやりきれないようなラストではないので、機会があればぜひ 幼児からでも読んで欲しい一冊です。

    投稿日:2008/07/25

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  • 絵が素晴らしい

    まず、絵が素晴らしいなと思いました。

    くまが大事な友だちを失って現実を受け止めることができないところはずっとモノクロ。

    くまがことりの死を受け入れたところから、モノクロの世界にピンクが入ってくるところが効果的で、くまの心情の変化が絵で理解できます。

    大事な人を亡くした喪失感を埋めるのは難しいことだと思います。文章もぐっと凝縮した感じで、やまねこの演奏が今にも聞こえてきそうな感じがしました。

    ただ、一つ引っかかってしまったのは、やまねこの言葉です。

    くまに箱を見せてほしいと言われて一旦「いいけど」と答えるのですが、「くまくん、きみのもっているきれいな箱のなかをみせてくれたら、ぼくもみせてあげるよ」という言葉。

    交換条件的なニュアンスがあって、私はどうしてもここが気になってしまいました。

    黙読で読むと気になった箇所が、子どもに読んでいる時にはあまり気にならずに「あれ?」という感じでした。細かい部分に気をとられていて全体が見えていなかったのでしょうか?

    ただ、息子はあまり興味を示しませんでした。

    投稿日:2008/07/17

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  • 存在感のある絵本

    本屋の本棚に平積みされていたのですが、ほかの絵本とは違う雰囲気でとても存在感を感じました。
    表紙の絵から、どこか寂しげな感じ…。
    内容を読んで、「死」がテーマになっていると知り納得しました。
    この絵本を読んで救われた気持ちになる大人も多いのではと思います。
    しかし、子供たちにも、小鳥を失ったくまの気持ち、作者が伝えたい死について、十分にその気持ちが届くと思いました。
    私自身は、大切な人の死、というものを経験したことがないので、この絵本に関しては子供たちと近い感覚で読んだのではないかと思います。
    内容と絵が見事にマッチしたすばらしい絵本です。

    投稿日:2008/07/10

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  • 時の流れ

    • ぜんママさん
    • 30代
    • ママ
    • 広島県
    • 男の子10歳、女の子8歳

    最愛の小鳥を亡くした くまの悲しみが、
    モノクロの絵の中に潜んでいて、ズシンと心にのしかかり、
    赤い色が希望を運んできてくれる・・・
    とてもすばらしい酒井駒子さんの絵に魅惑されました。
    命の大切さ、生と死、時の流れ、寄り添い、希望・・・。
    言葉ではすべて言い尽くせないような、
    ちゃんとみなさんに紹介できるか不安になるぐらい、
    奥が深い作品です。
    小学3年生の娘に読みましたが、
    娘は「最初は悲しいけど、後は明るい気持ちになる。」と言ってくれました。

    投稿日:2008/06/29

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  • リアルタイムに・・・

    地元の新聞の本紹介欄に「死の悲しみから一歩踏み出す」とタイトルにあり、湯本さんからのお話と筆者の文に(以下、抜粋)「ただ、悲しみの穴の中にいても時間は流れる。前と同じには戻れないが、新しい別の何かが生まれ、やがて再生していく。時間の流れは大きいと思います。<略>誰かと出会い、沈んだ気持がほんの一瞬でも救われたら・・・そういった出会いを無数に繰り返し、人間は生きていると思うんです」とのこと。

    白黒の画面にいろいろな感情を読み手側が感じるように思います。
    どくだみ茶さん同様、ピンクの色がとても暖かく、存在感がすごいと思います。

    10数年入退院を繰り返していた義父が先月亡くなり、四九日も過ぎました。そんな時に、出会えた絵本でした。

    投稿日:2008/06/28

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  • 悲しみに寄り添うとは。

    • うまそうさん
    • 30代
    • ママ
    • 愛知県
    • 男の子5歳、男の子3歳

    「死」を理解できるもうすぐ6歳の長男に読みきかせました。(3歳の次男は、まだ死というものがピンと来ないようです。)

    でも、この本は大切な人との別れを経験している大人にこそずっしりと響く本なのではないかと思います。大切なことりを綺麗な箱に入れて持ち歩くくまの気持ち、立ちなおらきゃと励まされて却って落ち込む気持ち、やまねこがただ「二人のために演奏をしたい」と申し出てくれた気持ち・・・そこには絵にも言葉にも出来ない感情の機微といものが滲み出ていると思うからです。

    やまねこが差し出したタンバリンにも、暗にやまねこの悲しい誰かとの別れが示されていて、人は(やまねこは人じゃないけど!)いくつもの心の傷を抱えて乗り越えて生きていくもんなんだな、とグッと来ました。そして、そんな人だからこそ“他人の悲しみに寄り添う”という非常に高度な優しさが実行できるんだと思いました。

    私自身のために手元にずっと置いておきたい絵本です。

    投稿日:2008/06/26

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  • きみのことりのために

    黒だけで描かれた絵の潔さに見とれてしまいます。絵のないページにさえ、物語がみえてきそうです。ことりとの思い出のピンクがとてもあたたく感じられます。

    やまねこの「きみのことりのために、一曲えんそうさせてくれよ」
    の言葉に涙がでそうになりました。やまねこのヴァイオリンを静かにきているくまの気持が伝わってきます。
    「くまとやまねこ音楽団」が私の町にもきてくれるといいなと思いました。

    投稿日:2008/06/07

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  • 私と母と、そして子ども達に!

    • そうなんださん
    • 30代
    • ママ
    • 徳島県
    • 女の子10歳、女の子8歳

    地元の新聞でこの絵本を知りました。あらすじを知り、是非読んでみたいと早速、本屋へ走りました。

    読んでみると・・・。買わずにはいられませんでした。
    先日、突然に父を亡くした私は、主人公のくまが自分と重なって思えたのです。今も悲しみの中にいる母とも重なりました。

    大事な人を失った悲しい現実をすぐに忘れることなど、誰にもできません。私と母も、お互いの寂しさを何度も何度も繰り返し話し合い、父とのいろんな思い出を思い出すことで少しずつ気持ちを落ち着かせることができています。
    この絵本のくまも「つらいだろうけど、はやくわすれなくちゃ」と言われ、家に閉じこもってしまいました。どんなに寂しかったことでしょう。そんなこと分かっているんです。
    しかし、時間の経過がくまの気持ちを外へ向けてくれました。そこで、やまねこに出会うのです。

    やまねこは、「ずいぶんさびしい思いをしてるんだろうね」と言ってくれました。くまの気持ちに寄り添ってくれたのです。そして、バイオリンを演奏してくれたのです。

    なめらかな音楽に合わせて、ことりとの楽しかった思い出がよみがえります。やまねこのお陰で勇気を取り戻したくまは、ことりを埋めることができたのです。

    やまねこは、くまを演奏の旅に誘います。そして、くまに古いタンバリンを差し出します。ずいぶん古いタンバリンを見て、くまは他の誰かが使っていたのだと気づきます。
    しかし、誰なのかを聞かずに演奏の旅について行くことにしたのでした。

    私も母も、このくまと同じです。たくさんの方に悲しい気持ちに寄り添ってもらい、癒しのために気持ちのこもったお菓子や花やお手紙をいただきました。母には、私からこの絵本を紹介しようと思っています。

    子ども達には、高学年の読み聞かせに読んでみたい一冊です。

    投稿日:2008/06/01

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  • 一歩を踏み出すこと

    • ねがいさん
    • 30代
    • ママ
    • 大阪府
    • 女の子7歳、男の子2歳

    「くまとやまねこ」の題名なのに、くまと小鳥の表紙。
    しかも、お互いに違う方を向いていて、そして何よりもくまから漂う、
    絶句するほどの寂寥感。

    くまのどうしようもない心の動きが、文章から静かに優しく
    染み込んできました。周りの動物のとまどいも、それに背中を
    向けるしかないくまも。痛いほどに伝わってきます。

    そして、絵。
    やまねこと出会い、思い出すことで、絵本の中の絵にほんの少しの色が
    付いたことに、ハッとしました。この1色の色が、くまが1歩を踏み出せた
    ことを表しているような…。光とまでは言えないけど、くまの心の中で
    ポッと温かい気持ちが生まれたような感じを受けました。
    どこまでも寂しさは漂っていましたが、新たな友を得、前に進み出せた
    くまを嬉しく感じました。

    絵だけのページ、字だけのページが効果的で、絵本の完成度が高く
    凄い絵本が生まれたな、と感動しました。

    投稿日:2008/05/25

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  • 涙がじわっと・・・

    • けい☆さん
    • 30代
    • その他の方
    • 京都府

    大好きだったことりが死んでしまって、悲しむくまに、
    他の動物たちは、早く忘れるように言うけれど、やまねこだけはただ一人「ほんとうにことりが大好きだったんだね」と言ってくれる。くまは、やまねこから渡された古いタンバリンを見て、やまねこにも、そんな大事な友達がいたことを察する。大事なものをなくしたもの同士だからこそ、通じ合える気持ちや、言葉にしない優しさがストレートに伝わってきて、涙がじわっとこみ上げた。

    投稿日:2008/04/30

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