窪島誠一郎の名前を聞いて思い浮かべるのは、長野県上田市にある「無言館」です。
戦争で命を失った戦没画学生慰霊美術館という建物で、学生たちが残した絵が無念の気持ちと、命をこめた絵が静かに展示されています。
その窪島さんが、戦後80年という重みを伝えるために手がけた絵本として、とても重さを感じる絵本です。
日本兵は、中国でどんなことをしてきたのでしょうか。
絵を描くことで、心が許し合える時間を作ることができたという象徴性に、人は分かり合うことができるという希望を持ちました。
日本の交差点で流れる「夕焼けこやけ」のメロディが、中国人には軍歌に聞こえたという心の屈折もしみました。
絵本に出てくる絵具箱は、平和への祈りのように感じました。
憎み合うのではなく、享受できる社会がきっとあるはずです。
絵を描かれた古茂田杏子さんも戦争と絵画に縁のある方と聞いて、絵の重さも意味深く感じました。