すいか。漢字で書くと、西瓜。
夏を代表する果物、と思われがちですが、
すいかは果物ではなく、分類的には漢字でわかるように、ウリ科の野菜。
それに、すいかは俳句の世界では秋の季語。
「風呂敷のうすくて西瓜まんまるし」、右城暮石の俳句のように
昭和の時代、風呂敷にくるんで手土産にした人もいたのでしょう。
縁台に並んですいかの種の飛ばしっこみたいな風景も
今では都会ではほとんど見ることもありません。
それでも、今でもすいかが人気なのは、やはり縞模様のはいったあのまんまるな形のせいかも。
すいかには種があります。
実をかじって、そのあとでうまく種を飛ばす人もいれば、
食べる前に指先でうまく種を取り除く人もいて、
その巧みさに小さい頃感心したものです。
そんなすいかのたねで愉快に遊んでみたのが、
押本達希さんの絵本『すいかのたね』。
12個並べたすいかの種の「ひとつだけよこ」を向いた種の絵とか
おたまじゃくしたちと一緒に泳ぐ種とか
音符の中にまざりこんだりトランプのカードの絵柄にこっそり忍びこんだり、
絵本まるまる、すいかの種探し。
遊び心満載のこの絵本、もしかしたらおいしさのしるしのあの音が聞こえるかも。
ぽんぽん、って。