「かけら」くんが自分にぴったりのまんまるくんを探して旅立つお話です。誰かにぴったり収まろうとするのですが、やがて自立して自ら行動を起こす。何だ、やれば出来るじゃないか。俺、捨てたモンじゃないぜ。
前作「僕を探しに」よりリズム感は劣りますが話の終わり方が自然でウィットに富んでいて楽しめました。相変わらず背景も色も無いシンプルさが良いですね。
様々な困難にぶち当たったとき、この本を見開くとすごく勇気が出てきますよ。いっぱい泣いて翌朝にはキリッといける、清涼剤のような作品です。
大人に近付けば近付くほど内容の深さが分かるとは思いますが、だからといって子供に不向きだとは思えません。読み聞かせで親の意見を先に言うよりは、子供の感想を聞き出す方が良いと思います。感じ方が人それぞれで異なる作品です。