「魔法使いのチョコレート・ケーキ」 大人が読んだ みんなの声

マーガレット・マーヒのちょっと不思議な８編のお話と２つの詩が入っています。
タイトルにもある魔法のチョコレート・ケーキのお話が特に印象に残りました。
魔法よりも料理が得意な魔法使い。
人には悪い魔法使いと思われてしまっているので、仕方なく肥料ケーキを作って、リンゴの木とお茶の時間を過ごします。
どうなるのか？と不安でしたが、最後はめでたしめでたし。
「木には木の話し相手があり、人には人の話し相手がありました。寂しいものはひとりもいませんでした」というセリフが素敵です。
最後には、クリスマスの詩もあります。
大人が読んでも満足できる内容だと思います。

魔法っぽい話の短編集。タイトルになったお話も短編ですが、悪い魔法使いだと思われていた魔法使いが木を育てながら自分はチョコレートケーキ、木には養分のケーキを用意してお茶をするうちに森が生まれたお話で、すごく心があたたまるステキなお話でした。他にもメリーゴーランドの話とか、全般に、心の清いものが報われるお話になっているので、教育上もオススメかと思います。どれも短編集なので小学生にも読みやすいですよ。

とっても楽しい「マーガット・マーヒー」のお話集です。
邦訳が石井桃子さんなので、とても味わいのある優しい言葉が心地よく響いてきます。
お話は表題作を含め１０作入っています。
『魔法使いのチョコレート・ケーキ』も素敵な話ですが、
『たこあげ大会』に登場する〈宝探し〉のおばあさんとジョーンのやり取りも面白いし、『メリー・ゴウ・ラウンド』の優しい子ども好きのトッドとバーニー〈メリーゴーランド技師〉の出てくる素敵なお話だし、『ミドリノハリ』はドキドキする不思議さがいっぱいの面白い話でした。
そして何より私の心に残ったのは、『幽霊をさがす』です。
怖いもの見たさのドキドキ感と、ワクワク感が最後まで続きます。
ねぇ、サミー、よく考えてみて、ホラ！ちょっと後ろを振りむいて！
思わず、そう思ってしまう人も少なくないと思います。

このお話は目で読むだけでなく、ぜひお子さんたちに声に出して読んであげてほしいです。
声に出して読むと、また違った色のある物語の世界が見えてくると思いますよ〜！
４，５歳から小学校高学年までお薦めできます。