このお話は、故大島渚監督が、息子さんの学校で出された「親に子ども時代の思い出を作文に書いてもらう」という宿題で書かれた文章だそうです。
身近な人が戦地へ赴き、国の為にかけがえのない命を落としてしまう。
そんなことが、正しいとされていた時代。
少年時代に起こったできごと、その時感じた気持ちが淡々と書かれています。
大好きな先生が出征することになり、あわてて駆け付けた時にいただいたタケノコごはんのこと。
当時息子さんは、この作文の裏にある本当の気持ちまで、考えることはなかったそうです。
亡くなられた今となっては、訊く術はない。
でも、想像の翼を広げることで、人はもっと優しくなれると…。
そして、この作品は世に出たのです。
うちの娘も、何故『タケノコごはん』なのか、理解するのは難しいようでした。
忘れられない味。でもそれは、ただ美味しかっただけじゃない。
その裏側にあるもの。
想像の翼、広げてくれるといいなと思いました。