とあるイタリアンレストランの待合いで、偶然この本を手にとって、まずその絵の美しさに一気に引き込まれました。寒い夜の澄んだ空気感、幻想的な世界を現実に見ているかのようなリアル感、それでいて温かな空気が漂う色づかい。ため息が出るような素敵な本です。
物語は美しい日本語で静かに語られ、鈴の音のような小さなものへの子こどものときめきや、子どもだけが知っている特別な世界がそこに書かれてありました。
大人になると、いつしか忘れてしまうそんな特別な世界。まるで鈴の音のようにはかなげに・・・
読み終わってもずっとこころから離れない本です。
もう私の耳に、鈴の音は聞こえないのかな。