クマといえば、あべさんの絵ですね。私は勝手にそう思って読み進めました。熊打ちの名人小十郎は、生きていくために熊を殺し続けている。しかしそれらが高く売れることは無く、貧しい暮らしを続けています。しかし、やめることはできません。熊も小十郎も、互いに生きていくためにしていることなのです。命とはなんなのか。皆が幸せに生きるというのは現実にはできないことです。誰かが生きるために、なにかが死ぬ。死ぬことで生きる。そういう命の重みとの向き合い方が描かれています。 熊に殺された小十郎の死骸を囲んだときの熊たちの姿が、印象的でした。