宮沢賢治の絵本 なめとこ山の熊」 みんなの声

宮沢賢治の絵本 なめとこ山の熊 作:宮沢 賢治
絵:あべ 弘士
出版社:三起商行(ミキハウス) 三起商行(ミキハウス)の特集ページがあります!
税込価格:\1,650
発行日:2007年10月
ISBN:9784895881159
評価スコア 4.43
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みんなの声 総数 13
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  • 熊と小十郎の因果

    宮沢賢治は このお話を心を込めて書けたのですね
    なめとこ山の風景が感じられて 淵沢小十郎の仕事は くまを殺して 熊の皮と胆(肝)を売るのです
    熊は小十郎のことをなぜか好きなのです この関係は賢治描方が心を和ませてくれます

    それでも家族を養うための仕事ですから 熊を殺します
    親子の熊をそっと見守る 小十郎の優しさ 
    荒物屋へ熊の皮を売りに行くときの小十郎の気弱さも 人柄が感じられます


    賢治はこの時荒物屋のことを小十郎をうまく操っていることをじつに癪にさわってたまらないと書いています
    賢治の気持ちがよくわかります

    ある時熊が殺すのを待ってほしい 2年したら自分の命を小十郎のもとへ来る とのくだりも 泣けてきます 
    熊と小十郎の信頼関係ならではですね

    ラストはまた泣けます 
    小十郎は鉄砲で撃たれて 座ったように死んでいる
    その周りをかこんでいるのかなあ? 熊たちの姿の思えます

    あべ弘士さんの絵は 迫力と優しさの感じられる賢治とこころに寄り添っています

    投稿日:2025/02/07

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  • 大きくなってまた読み聞かせたい

    絵を見てなのか?4歳の子供がこれを読んでほしいと持ってきました。難しいし、悲しい本だけど大丈夫かな?と思いながら読むことに。少し長い本でしたが真剣に聞いていました。
    最後の猟師をクマが囲んでるシーンが悲しかったと。難しい内容はわからないにしても、とても純粋な感想だと思いました。もう少し大きくなってから読んだらどう思うのかな?と、心の成長が楽しみです。

    投稿日:2019/01/17

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  • 熊と小十郎の語り合い

    熊撃ちで生活している孤独な猟師小十郎と撃たれる熊の、不思議な心の通い合いが、あべ弘士さんの絵でみごとにまとめられていると思います。
    猟で得た熊の毛皮や熊の胆を安く買いたたかれ、家族を失った小十郎にとって、熊は心通わせる存在です。
    撃ち殺すこととの矛盾でありながら、熊にしても小十郎に心許しているところが、とても神聖に感じます。
    死んだ小十郎を熊たちが取り囲む最後のシーンは崇高です。

    投稿日:2017/11/30

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  • 色合いが美しい絵本です

    あべ弘士さんのこの絵本、オッ!?と思ったのは
    絵が非常にカラフル。

    なめとこ山の熊って、クライマックスのシーンが1月なので
    全体的に冬の雪山を中心に描いている絵本が多いんですね。
    でも、冬に至るまでには当然春も夏も秋もあるわけで。
    冬以外の明るくてキレイな季節がちゃんと描きこまれていることで
    ここが冬になるとこんなふうなのね…と
    イメージがふくらむのです。

    そしてもうひとつオッ!いいね〜と感じたのは
    小十郎がちゃんとおじ(い)ちゃんなのですw
    ヘンですか?でも意外と少ないんですよ?

    小十郎は孫を育てるために猟をしていまして
    孫たちの面倒をみているのは小十郎の母、つまり曾祖母なんですが
    この曾祖母の年齢が九十といいますから
    息子である小十郎の歳だってかなりトシのはず、ですよね。

    でも
    あんまりじいさまだと弱そうに見えるのか
    それとも他に理由があるのか?
    小十郎を壮年のように描く
    もしくは年齢不詳になるようぼかして描く方、多いんですね。

    なので
    あべさんの小十郎を見たとき
    おお、リアルだなと。

    夜のシーンの深い青
    雪山のシーンの空が照り映える白
    など
    とにかく色がきれいで冴え冴えとしているので
    文章がツメツメのページもけっこうあるんですが
    それに負けない存在感があります。

    山の自然の美しさをグッとアピールする絵を
    じっくりと味わえる作品です。
    どうぞお楽しみください。

    投稿日:2014/07/02

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  • 鮮やかな色使いの挿し絵

    あべ弘士さんの描く自然や動物はとても迫力があっていつも圧倒されるのですが、こちらも鮮やかな色使いの挿し絵に目を奪われました。
    雪国の自然の厳しさや美しさがダイレクトに伝わってくる感じです。
    宮沢賢治の文章もまた美しいです。「この次には熊なんぞにうまれるなよ」。獲物と漁師の関係を超えた、なめとこ山の熊と小十郎の関係が胸を打ちました。

    投稿日:2014/07/02

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  • 命について深く考えさせられます

    切ないけど、美しい作品です。そして、命について、深く深く考えさせられます。

    私たちは生きるために、たくさんの命を頂いています。頭ではわかっていても、そのことをしっかりと理解して、大切に頂いている人はどれだけいるでしょうか?

    3歳の娘がもう少し大きくなったら、この作品を読んで〈命〉について伝えて行きたいと思います。

    −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

    この作品はストーリーの奥深さと共に、あべ弘士さんが描かれる動物達も素晴らしく、作品に重厚感を持たせています。

    投稿日:2014/06/29

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  • 生きるために

    このお話、何度も読み返しました。

    動物は必要以上に殺したりしません。
    今日生きるため、その為だけです。
    そして小十朗も、欲のためではなく生きるために…

    お互いにそれをわかっていたから、熊たちは小十朗が好きだったし、きっと小十朗も熊たちが好きだった。

    でも、熊たちだって鉄砲で撃たれたりするのは好きではなかった。
    小十朗も猟師なんかしたくなかった。

    ずっと苦しくて切なくて悲しかったのだろう…
    小十朗は猟師で、熊は熊。
    それは因果だと、きっと自分に言い聞かせていたんですね。

    そして一月のある日の朝、小十朗はもう遠くへいってしまうようでした
    そして小十朗の母も、それを悟ったようでした

    「おお小十朗おまえを殺すつもりはなかった。」という熊に、小十朗はすんなり死を受け入れます。
    「熊ども、ゆるせよ。」
    小十朗の最後の言葉は、今まで悪かったという事なのか、死んで悪かったという事なのか…

    小十朗の死顔が笑っているようだったのは、こうなったのも因果だという、熊たちへ向けたメッセージだと思います。
    そして小十朗自身、どこか安心したのだと思います。

    最後、熊たちは小十朗の周りに集まって少しも離れようとしませんでした。

    …何か声をかけていたのでしょうか
    今まで小十朗が仕留めた熊にしていたように。

    本当は憎むべき存在なのに許し、心を通わせ合った、小十朗と熊。

    とてつもない…深い絆を感じました。

    あべさんの絵は堂々としていて、静かで凛とした、命の重さを感じます。
    熊が撃たれて倒れている場面は胸が締め付けられますが、一番好きです。

    投稿日:2014/06/25

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  • 迫力の絵

    あべ弘士さんの描く熊は、迫力がありました。
    野性の熊というのは、命がけで生きているのですから。
    もちろん、命をかけているのは猟師もおなじでしょう。
    宮沢賢治さんが生きていた時代の暮らしぶりが、見られたような気がします。

    投稿日:2014/06/22

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  • 絵がばっちりです

    クマといえば、あべさんの絵ですね。私は勝手にそう思って読み進めました。熊打ちの名人小十郎は、生きていくために熊を殺し続けている。しかしそれらが高く売れることは無く、貧しい暮らしを続けています。しかし、やめることはできません。熊も小十郎も、互いに生きていくためにしていることなのです。命とはなんなのか。皆が幸せに生きるというのは現実にはできないことです。誰かが生きるために、なにかが死ぬ。死ぬことで生きる。そういう命の重みとの向き合い方が描かれています。 熊に殺された小十郎の死骸を囲んだときの熊たちの姿が、印象的でした。

    投稿日:2014/06/19

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  • こんな終わり方とは…

    熊捕りの名人の小十郎と、出会った熊たちの心のやりとりには、どこか切なさを感じました。
    生きるために、熊を撃つ小十郎の気持ちは、なんとの深いものがあるのでしょう。そんな命のやりとりに触れた作者の心の深さに感動しました。
    また、あべ弘士さんの描く動物は、迫力があります。大自然の中での小さな人間、そしてまるで影のような存在の熊の描写は、さすがだなと思いました。

    投稿日:2014/02/16

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