この絵本を読み終えたとき、息子と奥さんにしばらく静寂があった。
その後、奥さんは「作家の強い思いが絵にこもっている」と言った。
自分は、絵の間を埋める凝縮された言葉に強い思いを感じた。
若い頃当たり前のようにあった、差別とか身分だとかを思い出した。
居場所がなかった少年が、卒業の年の学芸会で演じたカラスの鳴き声で存在感を示した。
学友は自分たちが少年にしてきたことを思い涙を流した。
保護者達は、少年をたいしたもんだと涙を流した。
少年はカラスの鳴き声に、自分の暮らしと、自分が小学校に通学してきた6年を表現したのである。
素晴らしい事だと思う。
この少年の素質を見抜いて、表現させた教師も素晴らしい。
小学校教育はこうでなくては。
ひとつひとつに作者の強い思いが感じられて、ひとつひとつが心にしみこんできた。
今、6年生のクラスで、この本を読み聞かせて皆を感動させる自信はない。
クラスの数名でも、この絵本を正面から受け止めてくれたらそれだけで良いと思う。
心にしみる本だと思いました。