「ぼくはくまのままでいたかったのに」に魅了されて、同作者・同イラストレーターのこの作品を探しました。
灰色のうさぎ(檻の中で育った食用うさぎ:大人)と、
茶色の子うさぎ(どこかの野原で捕まったらしい元気と勇気のある少年)とのやり取りがとても面白かったです。
二匹はいったん外の世界へと逃げおおせます。
けれど、灰色うさぎにとっては、自由だけれど何も知らない世界はとても恐ろしい所だったようで、もう一度元の世界(工場内へ)戻ろうとします。
そこで引き止めたり別れ別れになったりしないところが、また奥深いな〜と、思いました。
うさぎたちのしぐさや表情がとてもリアルでした。
ラストシーン。壁の穴(通気口?)から顔だけを出し、小さな茶色いうさぎを見送る灰色うさぎの表情とセリフがよかった!
「ごきげんよう、小さな茶色うさぎ」「しあわせを いのるよ!」
外の世界のことは”知らない知らない”で怖いことばかり。
正直、茶色の子うさぎに比べて、情けない弱虫な灰色うさぎと思っていましたが、弱虫でも心優しかったんですね。
とても素敵な考えさせられるお話でした。
社会、政治、地理、起業を考えている人などに特にお薦めしたいかな。
字が多くストーリーも長めで、漫画のようなコマ割のページもあるので、多少好き嫌いは出るかもしれません。