「いや」と言ったら相手はどう思うかな?
「いや」と言ったら嫌われたりしないかな?
ノニは「いやっ」と言いたくても、ついその言葉を飲み込んでしまいます。
私自身、頼まれたら嫌とは言えない性分なので、ノニの気持ちが痛いほど分かるし、ノニと子どもの頃の自分とを重ねて読んでいました。
改めて考えてみると親や先生は、小さい頃から「貸して」「いいよ」を当たり前のように教えていて、「もし嫌なら嫌だと言っていいんだよ」と教えてきたでしょうか。もちろん教えなくても「いや」と言える子もいますが、ノニのような子どもにはちゃんと「いや」と言ってもいい選択肢を示してあげることも大切なのかな、と思いました。
ノニは最後、ちゃんと自分でスージーに自分の気持ちを伝えられます。そしてスージーはあっさりそれを受け容れます。
勇気のいることだけど、自分の気持ちを伝えることはとても大事なこと。
裏表紙の二人が楽しそうに笑っている様子、きっと今まで以上に仲の良い二人になれそうですね。
繊細なノニの心情描写に合った優しい色使いの挿絵が素敵で、大人でも考えさせられる内容のお話でした。