悪くはないお話でしたが、正直特別すごいとは思いませんでした。
黒崎さんの絵はとてもきれいで素敵でした。特に草花の描き方なんて押し花みたいでした。
ただ、後書きを読んで考えが変わりました。
このお話は、原作を書かれた肥塚さんという方が別にいます。
彼は戦時中の学徒出陣で、まだ20歳という若さで亡くなられたそうです。
その肥塚さんの遺品の原稿を読み、黒崎さんが絵本にしたものだそうです。
戦時中というくらい世の中で、作家志望の若者が残してくれた物語。
そう思って、読み直したら、なんだか伝わってくるものが違って見えました。
内容は、こびと族の蜜を売っている若者が、ある時「いもむし」に優しくしたことで、最後に幸せになる話で、先ほども書きましたように押し花のようなきれいな黒崎さんのイラストもあり、
4歳くらいのお子さんからお薦めできる作品だと思います。
機会があったら、ぜひ手にしてほしい作品です。