オオカミとキツネの絶妙な友情を描いた「ともだちや」シリーズ、
第10作目。
もうすっかり友情を育んだオオカミとキツネに、またもや暗雲(?)が!?
森で、笛吹きのテンの女の子に出会ったキツネは、その音色に魅せられます。
ところが、テンは、三日間自分だけの友だちになることが条件だ、というのです。
かくして、オオカミとの約束をあきらめて、テンと過ごすのですが、
やはりオオカミのことが忘れられないのですね。
オオカミも、はじめて見るキツネの対応に取り乱します。
だからこそ、ラストは感動的な改心となるのですね。
内田麟太郎さんが作者だからこその、男の友情です。
でも、女性の立場から言わせてもらうと、
テンの女性心理がその友情の引き立て役となってしまい、実に悪いイメージで
描かれているのが悲しかったです。
もちろん、女性は独り占めしたい心理があることは認めますが、
テンの性格描写が余りにきつくて、少し切なかったです。
もちろん、ラストの様子に少し救われましたが。
女性の入り込む隙もない、男の友情、なのでしょうかね。
うらやましくもあり、切ない読後感でした。
男の子たちは共感してくれると思います。