『五体不満足』の乙武洋匡さんが、小学校教員としての体験を小説化した作品です。
自分自身のできること、できないことを抱えながら前向きに子どもたちと向かい合い、失敗したこと成功したことを新鮮で自由な視点で描いています。
小学上級生でも読めるようにルビが振ってありますが、基本的には大人向け。
親が小学校の実態を感じられる作品かと思います。
小学校の教員として問われたこと、子どもたちの反応、現場に立たなければ解ることが、乙武さんらしい軽快さで描かれています。
何より素晴らしいのは、乙武さんが子どもたちに受け入れられたこと、子どもたちの手や心に支えられながら、立派に教育現場で自分を発揮できたことです。
本音部分で語られていると思います。
このお話で忘れていけないのは、介助教員の白石さんの存在。
主人公赤尾さんの頑張りは白石さんの助けなくしてはあり得ないのですから。
テレビ等では表に出てこない存在だけに、とても感動しました。