自分がこれを初めて読んだのは1年生の頃だと思います。
親が選んで買ってくれ、家にあったので繰り返し読みました。
とりわけ、最後のページだけを何度も開きました。
10代20代になっても、絵本を共有していた姉とよく、この本の話をしました。
自己犠牲だとか、
それにも関わらず失う友情だとか、裏切りだとか。
言葉にすると酷くつらいことなのですが
子供の時にはそれらをきちんと感じ受け止め自分の言葉にするのは難しいことでした。
めでたしめでたし、でぱたんと閉じられる本ではありません。
最後のページには、すんなりとは閉じさせないちからがあります。
閉じなくていいのです。
重くつらく生々しい現実が、ふっと昇華する。
物語にしかできない飛躍。
ラストシーンで水たまりに立つ一本の樹は、そこまでの物語が重なってこその美しさです。
そんなの子供は言葉にできなくていいのです。
ただ、最後のその風景を、わたしは忘れられませんでした。
その風景をみたくて、何度も手に取り何度も開きました。