あきぞらさんぽ あきぞらさんぽ
作: えがしら みちこ  出版社: 講談社 講談社の特集ページがあります!
いろんな秋に、会いに行こう!

ゆきのよあけ」 夏の雨さんの声

ゆきのよあけ 文:いまむら あしこ
絵:あべ 弘士
出版社:童心社 童心社の特集ページがあります!
本体価格:\1,333+税
発行日:2012年11月27日
ISBN:9784494002689
評価スコア 4.29
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みんなの声 総数 6
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  • いのちの漲る夜

     都会の夜はイルミネーションがきれいだ。
     澄んだ冬の夜を彩る、今や風物詩といっていい。
     恋人たちは愛を語りあい、家族は笑顔にあふれる。仕合せに満ちた季節だ。
     でも、森ではちがう。
     氷つくような寒さの、一面雪景色におおわれた山の夜はまったくちがう。
     小動物たちは冬だといって安心はできない。夜だといって心休まるわけではない。
     雪の巣穴にうずくまっている野うさぎの子の夜も。

      『あらしのよるに』でさまざまな賞を受賞し、動物絵本で人気の高いあべ弘士さんが絵を担当したこの作品は、さすがあべさんと満足のいく仕上がりだが、それよりもいまむらあしこさんの文がいい。
     冬の山の一夜のできごとを、母うさぎをなくして初めての冬を迎える野うさぎの姿を通じて、動物たちが懸命に生きる姿を活写している。
     それは都会の夜とはまったく違う。それでいて、生きることの重さを痛切に感じる。

     いまむらさんの文章のすごいところは、動物たちの動きを的確に表現している点だ。
     たとえば、野うさぎの子の毛づくろいの場面。
     「耳を かおのまえに ひっぱり、まえあしで、ていねになでつけます」なんて、まるでそこに野うさぎの小さな鼓動が聞こえそうだ。
     だから、夜の雪の森で、野うさぎの子が陸ではきつねから、空からはふくろうに襲われる場面の、胸がどきどきすることといったら、ない。
     「あしをとめた そのときが、のうさぎの子の いのちの、おわりなのです」と書かれたら、応援するしかない。
     この子を助けてあげて!
     くる、くる、きつねが。くる、くる、ふくろうが。
     逃げて、野うさぎ! 駆けて、野うさぎ!
     子どもたちの声援が聞こえてきそうな絵本。大人だって、夢中になるのだから。

     それに加えて、あべさんの絵だ。
     なんとか逃げおおせた野うさぎの子の、朝の光にすくっと立つその姿の凛々しいことといったら。
     いのちの美しさにちがいない。

     都会の冬の夜を彩るイルミネーションはきれいだ。
     けれど、命をかけた冬山の夜は、もっと生き生きとしている。ただ、そのことを知らないだけ。
     この絵本は、そっと、そんないのちの漲る夜を教えてくれる。

    投稿日:2013/12/15

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