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ゆさゆさのびのび、青々と茂る葉っぱの中に見え隠れしているのは真っ赤なリンゴ。つやつやとした表面、手を伸ばせばつかめそうな立体感、しゃりしゃりと皮をむけば全く違う表情があらわれて。
さらに、ぽこぽこころりんとしたミカン、ぎっしりと実をつけたバナナ、ずっしりどっしり存在感のある姿を見せるメロンやスイカも。ダイナミックなフォルムに目を奪われながら、そのままじっと見れば見るほど細かい筋や模様、毛の一本一本まで浮かびあがってくる不思議な感覚。
作者は植物画家としても活躍される金内織恵さん。全てに焦点を合わせ、そこにあるくだものをありのままに、美しさや瑞々しさをまるごと表現することで、画面に入り込めるような独特な空気感をつくりだしています。
この繊細でリアルな絵に、オノマトペや心地よいリズムと繰り返しの言葉が組み合わさって、赤ちゃん絵本として完成してしまったのだから驚きです。
「くだもの らららん さあ たべよ」
じっくり見て、手にとり、皮をむき、食べる。一連の動作の喜びをしっかりと味わってもらえたら嬉しいですよね。他にはない赤ちゃん絵本の誕生です。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)

植物画家が、くだものが実るようすをみずみずしく描いたあかちゃん絵本。リアルに描かれたくだものに、思わず手を伸ばしてさわりたくなる絵本です。オノマトペや心地よいリズムとくり返しの言葉は、あかちゃんにくだものの美しさと鮮やかさを届けます。くだものをじっくり見て、とって、皮をむいて、食べるまねっこも楽しめる、くだものの世界に入り込むような感覚を味わえる絵本です。
登場するくだもの:りんご/みかん/ばなな/めろん/すいか
*全国学校図書館協議会選定 *神奈川県児童福祉審議会推薦優良図書

夏のくだものといえば、スイカ。
ところが、俳句の世界ではスイカ(西瓜)は秋の季語。
「冷やされて西瓜いよいよまんまるし」(伊藤通明)
ややこしい。
同じように、スイカは実際にはくだものではない。
正しくはやさい。
『歳時記』にも「ウリ科の蔓性一年草である西瓜の実」とある。
ややこしい。
メロンもおなじ。こちらもやさい。
よくいわれるのは、木にできる果実がくだもので、田畑でできる果実がやさい。
ややこしい。
植物画や生物画で実に丁寧な絵を描く金内織恵さんの初めての絵本『くだものらららん』(2025年4月刊行)には、
そんなややこしいスイカもメロンも、リンゴやミカンやバナナとともに登場する。
つまりはくだものとしての扱いで、それがちっとも違和感がない。
だって、スイカもメロンもお店ではくだものとして売っていたりするのだから。
肝心なことは、甘くておいしくて、「らららん」と心が弾むようになること。
金内さんの絵はくだものそのものだけでなく、木の枝にどのように実がなっているか、
メロンやスイカはどのような葉が茂っているか、
そんな収穫前の姿も丁寧に描かれている。
それらが「ずっしり どっしり」や「にょきにょき ぎっしり」といった
子供たちにも親しまれるオノマトペと心地よいリズムで綴られていく。
絵本を読んだあとは、おいしいスイカを食べたくなるにちがいない。
(夏の雨さん 70代以上・パパ )
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