ナナちゃんは、はずかしがりやのうさぎの女の子。
仲良しのロコちゃんとはニコニコでいっぱい遊べますが、ほかのお友だちとはなかなか遊べません。
ロコちゃんがいればだいじょうぶなナナちゃんでしたが……。
園の遠足の日、ロコちゃんは風邪をひいて、お休みすることになってしまいました。
ロコちゃんがいかないなんて……「ナナもいかない!」
泣きそうなナナを、お母さんはやさしく励まします。
「せっかくの えんそくよ。いってみたら、きっとたのしいよ。
だいじょうぶ、いっておいで。」
いいお天気の野原を、みんなはおいかけっこをしたり、草のなかを転がったり。
でもロコちゃんがいなくて楽しくないナナちゃんは、ひとりでたんぽぽをつみました。
「ロコちゃん、はやくげんきになあれ。」
そう思いながら夢中で一輪一輪つなげたたんぽぽは、いつのまにかなが〜くなって……。
はずかしがりやのナナちゃんを、先生もお母さんも、急かすことなく見守ってくれています。
すこしずつ、いつのまにか心をひらいていくナナちゃん。
ひっこみじあんな子、足のはやい子、遅い子、いろいろいるけれど。
子どもが一歩ふみだそうとするとき、見えないくらいのささやかな一歩でも、大事にそっとよりそえたらいいですよね。
ナナちゃんの泣き顔、笑顔に、ほわっと心があたたかくなります。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
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<はずかしがりやさんの心によりそう絵本>
はずかしがりやのうさぎナナちゃんは、元気なロコちゃんと仲良し。一人ではなかなか園のお友達と遊べなくても、ロコちゃんがいれば大丈夫。ところが、遠足の日、ロコちゃんが風邪をひいて休んでしまいました。お友達や先生が遊びに誘っても、ナナちゃんは下を向いてばかり…。
ナナちゃんは、「ロコちゃん元気になあれ」そうつぶやきながら、一人でたんぽぽを摘んで編みはじめました。すると、いつの間にかみんな集まっています。「これね、ロコちゃんに編んだの…」すると、先生は言いました。「みんなでロコちゃんのおうちまで届けましょう」「たんぽぽ電車しゅっぱーつ!」
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