さつまのおいも
- 文:
- 中川 ひろたか
- 絵:
- 村上 康成
- 出版社:
- 童心社
絵本紹介
2022.10.06
爽やかな秋の風に誘われて、お腹がグーっとなってしまう食いしん坊なみなさん。絵本の中には空腹をさらに刺激する魅力的な食べ物が登場する絵本がたくさんあります。今回は「食欲の秋」をテーマに、秋に旬を迎えるお芋やキノコの絵本、料理のレシピ本、いつでも食べたいケーキの本などをご紹介します。
みどころ
おいもは つちのなかで くらしています。
ごはんも たべるし はも みがきます
人間のように、土のなかで暮らしている、おいもたち。
おやおや、何やらみんなでトレーニングをして、体を鍛えているようです。
何のためかって? それは、いもほりにきた子どもたちと、ある勝負をするため!
いもたちの意外な(?)日常の光景と、来たる日のために生真面目に準備する姿が、おかしいやらかわいいやら。
さてさて、どんな勝負なのか、そして気になる勝敗は?
絵本を読んでのお楽しみ!
いもほり、やきいも……ときたら、そう、おいしいだけでは終わりませんよ。
大人気「ピーマン村の絵本」シリーズの、秋の絵本。
最初から最後まで愉快! 秋の空のようにからっと明るくて気持ちが良くて、親子で読んでもみんなで読んでも、盛り上がること間違いなしの一冊です。
この書籍を作った人
©藤田修平1954年埼玉県大宮市生まれ。日本ではじめての男性保育士として、5年間千早子どもの家保育園に保父として勤務。1987年、みんなのバンド「トラや帽子店」を結成。リーダーとして活躍。「みんなともだち」「世界中のこどもたちが」などは、たくさんの子どもたちに歌われている。1995年「さつまのおいも」(童心社刊)で絵本デビュー。「たなばたプールびらき」他ピーマン村の絵本シリーズ(童心社刊)、「わりとけっこう」(絵本館刊)などの作品がある。絵本「ないた」で日本絵本賞受賞。絵本作家、詩人の他にも、ラジオDJなど、多方面で活躍中。
この書籍を作った人
1955年、岐阜県生まれ。創作絵本をはじめ、ワイルドライフアート、オリジナルグッズなどで独自の世界を展開する、自然派アーティスト。「ピンクとスノーじいさん」(徳間書店)、「プレゼント」(BL出版)、「ようこそ森へ」(徳間書店)で、ボローニャ国際児童図書展グラフィック賞受賞、「ピンク!パール!」(徳間書店)で、ブラティスラヴァ世界絵本原画展金牌、「なつのいけ」(ひかりのくに)で日本絵本賞大賞、「999ひきのきょうだいのおひっこし」(ひさかたチャイルド)が2012ドイツ児童文学賞にノミネートなど国内外で高く評価されている。主な作品に「星空キャンプ」(講談社)、「さかなつりにいこう!」(理論社)、「石のきもち」「くじらのバース」(ひさかたチャイルド)、新刊「どろんこ!どろんこ!」(講談社)など多数ある。伊豆高原と石垣島に、村上康成絵本ギャラリーがある。
みどころ
きつねうどんが大好きな、きつねくん。
たぬきうどんが大好きな、たぬきくん。
そんな2ひきがいい匂いにつられて、うどん屋さんにやってきちゃった。
もう出だしを見ただけで、ワクワクしちゃいます。
だって、私は「うどん」が大好き。
きつねうどんも、たぬきうどんも、どっちか決められないくらい大好き。
だから匂いにつられちゃう気持ちもわかるし、店構えだって期待できる。
一体2ひきがどんな顔をして食べるのか見たくてたまらない。
さて、きつねくんとたぬきくんはお店に入る前に、ちゃんと葉っぱを頭に乗せて人間の男の子に変身します。そして、しこしこ、つるつる、もちもち、ぷりぷりのうどんを、それはそれは美味しそうに食べるのです。もちろんおつゆも全部飲んで。お金が葉っぱとどんぐりなのは、ご愛敬。いいよね、こんなに喜んでいるんだもの。お店のご主人も笑って見送ります。
だけど、すっかり常連になった頃、思わずけんかが始まります。
「きつねうどんとたぬきうどん、どっちが一番美味しいか」
「たぬきがいちばん!」「きつねがいちばん!」
とうとう2ひきは取っ組み合いに!!
そこで、ご主人は2ひきをお店の台所へ連れていき…。
一体結論は出たのかな? 仲直りはできたのかな?
それはともかく、最後の場面では、ここのお店はすっかり大繁盛。
当たり前です。だって…「ほんものの」たぬきうどんときつねうどんが食べられるんですから!
お話はもちろん、なんだか画風にも色彩にもうどんの美味しさがにじみ出ている様な…つまり、うどん好きにはたまらない、可愛くて美味しい絵本なのです。
この書籍を作った人
1952年愛知県生まれ。絵本作家。子どものころから絵を描きつづける。色が重なってどろどろになっても描きつづける。10歳で油絵をはじめ、15歳で洋画家・白浜禎吉氏に師事。イラストレーターをへて、40代で絵本の世界へ。主な絵本の作品に、『おばけのムニムニ』(あかね書房)、『ともがき』『子ぐものいのり』(文・久留島武彦/幻冬舎ルネッサンス)、『ながーいでんしゃ』(至光社)、『すごいサーカス』『オナラせんせい』(絵本館)、『つきよのニャロベエ』(論創社)、『ウシくんにのって』(絵本塾出版)など多数。
出版社からの内容紹介
はじめての図鑑にもぴったり!大人気、ケーキについて、わかりやすいイラストでコンパクトにまとめたえほんずかん。
●わかりやすいイラストとシンプルな文章
リアルなイラストだから、写真だとわかりにくいところもよくわかる!
小さなお子さんも楽しめるように、文章もシンプルです。
●大ボリューム!ケーキの種類は110種以上
いちごのショートケーキやフルーツタルトなどの定番から、
サントノレやポロネーズなどの新顔まで、カテゴリごとにいろいろなケーキを紹介。
大好きなケーキに、もっと詳しくなれます。
●豪華監修&取材協力!
監修・指導実績多数の、辻製菓専門学校の監修のもと、確かな情報を詰め込みました。
さらに実際のケーキ屋さんへの取材も実施。
リアルなパティシエの1日を覗けるページも掲載しています。
●簡単レシピで家族のコミュニケーションも
監修考案!「おうちショートケーキ」のオリジナルレシピも!
ワンボウルで作れるから、小さなお子さんも取り組みやすい♪
楽しくておいしい時間を、家族で過ごすきっかけ作りに役立ちます。
★目次★
・ショートケーキ
・チョコレートケーキ
・カップケーキ
・ケーキポップ
・お祝いのケーキ
・焼き菓子
・ロールケーキ
・タルト
・チーズケーキ
・シュー
・パイ
・生菓子、小さなお菓子
・パンケーキ
・パティシエの1日
・パティシエの道具
・作ってみよう おうちショートケーキ
出版社からの内容紹介
復刊ドットコムの人気スヌーピー・シリーズに「料理絵本」シリーズ全3巻が登場!
第1弾は、ハロウィンやクリスマスにも使える『スヌーピーのお菓子絵本』。
6歳の子どもから60歳の大人まで、楽しむことができます。
スヌーピーのマンガを楽しみながら、アメリカの若者や子どもに人気の料理を気軽に作ってみましょう!
▼かわいいレシピ名の一部をご紹介!
すてきなマシュマロココア
スパイクのアルコール抜きのパンチ
手品師のルートビアフロート
かぼちゃ大王のブレッド
チャーリーのブラウニー・カップケーキ
全員集合、オレンジスポンジケーキ
チャックのチョコレートチップ・クッキー
マーシーのチョコレートマカロン
ピッグ・ペンのペカンクッキー
サリーの粋なジンジャークッキー
かぼちゃ大王のパイ
ルーシーのサワークリームパイ
うっとりとろーりブラウンシュガーカスタード
オレンジのマシュマロミックス
ウッドストックのレモンプディング
ルーシーの絶対に失敗しないポップコーンボール
パティーのペパーミント・モラセス・タッフィー
シュレーダーのアプリコットシャーベット
かぼちゃ大王のパンケーキ
ライナスの冷たいレモンデザート
この書籍を作った人
1931年、東京に生まれる。高校卒業後、詩人としてデビュー。1952年に第一詩集『二十億光年の孤独』(創元社)を刊行。以後、詩、絵本、翻訳など幅広く活躍。1975年日本翻訳文化賞、1988年野間児童文芸賞、1993年萩原朔太郎賞を受賞。ほか受賞多数。絵本作品に『ことばあそびうた』(福音館書店)、『マザー・グースのうた』(草思社)、『これはのみのぴこ』(サンリード刊)、『もこもこもこ』(文研出版)、「まり」(クレヨンハウス刊)、「わたし」(福音館書店)、「ことばとかずのえほん」シリーズ(くもん出版)他多数の作品がある。翻訳作品も多数。
みどころ
この絵本は、「ピーターラビット」の生みの親である絵本作家ビアトリクス・ポターさんの、今まであまり知られていなかった、研究者としての歩みに焦点を当てたものです。表紙には興味深そうに虫眼鏡を覗いてきのこを観察している様子が、裏表紙には、サナギを一心にスケッチしている姿が描かれており、どちらも、地面にはいつくばっていて、その熱心さが伝わってきます。ビアトリクスは、生き物と自然が大好きなサイエンス・ガールだったのです。
よくよく見る。
なぜかって考える。
気になったものを集める。
ありのままに描いてみる。
こんな風に、弟のバートラムといろいろな生き物(ヘビやカエルも!)を飼育し、死んだ後も骨を観察し、正確なスケッチを残したビアトリクス。さらに深く研究したのは、キノコ類。ビアトリクスが子どもだった1870年代のイギリス・ヴィクトリア時代は、まだ女性研究者はおらず、上流階級の子女は家庭教師に教育を受けていました。ですから、ビアトリクスがキノコを観察・記録し、胞子の発芽に成功しても、誰も認めてくれなかったのです。
そんな環境にありながらも、「知りたい」という純粋な好奇心から研究に取り組むビアトリクスの姿勢は、科学者としての本質を感じます。さらには、女性が学ぶことを否定されていた時代を知ることで、学べることのありがたさも体感できるでしょう。女性研究者が認められなかった時代の伝記としても、ピーターラビットの生き生きとした描写の背景を知るツールとしても、たくさんの発見がある作品です。
この書籍を作った人
翻訳家、エッセイスト。クリス・リデルが 挿絵を描いた『中世の城日誌』(岩波書店刊)で、第51回産経児童出版文化賞JR賞を受賞。『ピーターラビットのクリスマス 25の物語のアドベント』(文化出版局刊)、『ビアトリクス・ポターの物語 キノコの研究からピーターラビットの世界へ』(西村書店刊)、『STAMP BOOKS ぼくだけのぶちまけ日記』(岩波書店刊)、『本おじさんのまちかど図書館』(フレーベル館刊)、『ヤーガの走る家』(小学館刊)、『せんそうがやってきた日』(鈴木出版刊)など翻訳本多数。紙芝居文化の会運営委員、JBBY(日本国際児童図書評議会)会員、やまねこ翻訳クラブ会員。