ひみつのおすしやさん
- 作:
- 黒岩 まゆ
- 出版社:
- KADOKAWA
絵本紹介
2026.01.23
「ドキドキ」には、いろんなタイプがありますよね。たとえば大人だったら、ジェットコースターが頂上に向かっているとき、試験の合格発表、意中の人に声をかけたとき、大勢の前でスピーチを指名されたとき……同じ「ドキドキ」という表現でも、ハラハラ寄り、ワクワク寄り、それともまた違う「ドキドキ」もあって、気持ちを表現する言葉はおもしろいものです。
今回ご紹介する絵本のテーマは「ちょっぴりドキドキ!」。さて、どんな「ドキドキ」なのでしょう……?
のりちゃんは大好きな回るお寿司に連れて行ってもらい、ご満悦!ふとテーブルの下をのぞき、もう一つのレーンを見つけます。実はこのお店、特別なお寿司が回ってくるというウワサがあり……『ひみつのおすしやさん』の秘密に迫っていくのは、ドキドキ!
小学1年生のののちゃんは、隣の席のちこちゃんとまだおしゃべりしたことがありません。話しかけると下を向いてしまうし恥ずかしがり屋なのかな? 『となりのせきのおともだち』は、タイプの違う子と友情を築いていくなかでのドキドキが描かれています。
どのおはなしも、それぞれにちがう「ドキドキ」を味わえますよ。ぜひお楽しみください!
みどころ
今日はのりちゃんの誕生日。人気のおすしやさんにやってきました。このお店には、時々特別なおすしがまわってくるというウワサがあります。
「マグロ、サーモン、イクラにタイ。
う〜ん、やっぱり おすしって さいこう!」
のりちゃんがもぐもぐ食べていると、お箸を落としてしまいます。テーブルの下をのぞいてみると、そこにはもうひとつのレーンがあって……。
舞台は子どもたちが大好きな回るおすしやさん。なんてったって次から次へと美味しそうなおすしがやってくるんです。でも、レーンのその奥はどうなっているのか、想像したことはあるでしょうか。急にドキドキハラハラな展開がやってきます。
好奇心旺盛なのりちゃんが乗ったレーンは、海の中へ。歌ったり踊ったりするにぎやかな魚たちの間を通ってたどり着いたのは海の神様たちがいる世界!? いったいそこでは何が起こるの? のりちゃんはおすしやさんに戻れるの?
迫力満点に描かれる海の世界に負けないくらい、くるくるかわる元気なのりちゃんの表情。特別なおすしと対面した時の嬉しそうなこと! 鮮度抜群、活きのいい絵本の登場です。
みどころ
いたずらっこの男の子マックスは、今夜もおおかみのぬいぐるみを着ると大あばれ。
「この かいじゅう!」
おかあさんに怒られても平気で言い返す。
「おまえを たべちゃうぞ!」
とうとうマックスは夕飯抜きで寝室に閉じ込められた。
ところがその部屋に、にょきりにょきりと木が生えだして……気が付けばすっかり森の中。そこへ波が打ち寄せてマックスは船に乗り込んだ。長い時間をかけて航海すると、たどりついたのは「かいじゅうたちの いるところ」。すごい歯をガチガチさせて、うおーーっとほえて、目玉をぎょろぎょろさせ、すごい爪をむきだしている。なんて恐ろしい! でもマックスだって負けていない。
「しずかにしろ!」
怒鳴りつけると、マックスは魔法を使ってあっという間に彼らの王さまになってしまったのだ。彼らは一緒に踊り、遊び、森の中を行進し……。
コルデコット賞を受賞しているこの作品は、国際アンデルセン賞をはじめ、数々の絵本賞を獲得しているモーリス・センダックの代表作。世界中の子どもたちを魅了しつづけているロングセラー絵本です。
なんといっても魅力なのは、威勢のいい男の子マックスとかいじゅうたちの緊張感あるやりとり。あんなに迫力のあるかいじゅうたちが、彼の手にかかると何だか愛らしく見えてくるのです。それでもやっぱり小さな男の子。疲れ切ったあとに思い出すのは……おかあさんの懐かしいあの匂い。
豪快でちょっぴり恐ろしくもあるこの絵本。だけど読めばすっかりその世界に入り込んで夢中になってしまうのは、細かく小さなしかけの積み重ね。くるくる変わるマックスの表情に、本心を読み切れないかいじゅうたちの存在。現実と夢の行き帰り。それは永遠のようでもあり、ほんの一瞬のようでもあり。安堵の気持ちで絵本を閉じ、すぐまた読み返したくなってしまう。大人が読めば、子どもの内面の豊かさを思い出させてくれるような1冊でもあるのです。
この書籍を作った人
1928年アメリカ ニューヨーク生まれ。アート・スチューデンツ・リーグに学ぶ。『かいじゅうたちのいるところ』(冨山房)でコールデコット賞を受賞、その他『まよなかのだいどころ』『まどのそとのそのまたむこう』(冨山房)、『ロージーちゃんのひみつ』(偕成社)、『そんなときなんていう?』(岩波書店刊)、『くつがあったらなにをする?』(福音館書店刊)、『ミリー』(ほるぷ出版)他多数の作品がある。国際アンデルセン賞、ローラ・インガルス・ワイルダー賞、アストリッド・リンドグレーン記念文学賞などを受賞。
この書籍を作った人
〈1932年-〉群馬県生まれ。青山学院大学名誉教授。児童文学評論、創作、翻訳など、幅広く活躍。おもな訳書に『アーサー・ランサム全集』(岩波書店)、評論に『世界児童文学案内』(理論社)、創作に『たけのこくん』(大日本図書)などがある。
出版社からの内容紹介
「あーあ ふってきちゃった」
「もっと はやく かえれば よかったね」
きゅうにあめがふってきて、ダイちゃんとドンちゃんはあわててかえります。するとそのとき……ピカッ! ガラガラ ガッシャーン! おおきなかみなりがおちてきました。ダイちゃんは、いそいでおへそをかくします。
「ダイちゃん かみなりさんなんて しんじてるんだ」
「しんじてるわけじゃないけど……」
ダイちゃんとドンちゃんの会話は、思わぬ方向に展開して……
ふたりがくりひろげるテンポよい会話に、きっとあなたもひきこまれる!
《めにみえてるものだけが、このせかいじゃやない》
《いままでみえていたけしきが、なんだかちがってくる》
目に見えないものを想像する楽しさを描いた、いとうひろし最新作!
この書籍を作った人
1957年東京生まれ。早稲田大学教育学部卒業。独特のユーモラスであたたかみのある作風の絵本・挿絵の仕事で活躍中。おもな作品に 「おさるのまいにち」シリーズ(講談社刊、路傍の石幼少年文学賞受賞)、「ルラルさんのにわ」シリーズ(絵本にっぽん賞受賞)「くもくん」(以上ポプラ社刊)、「あぶくアキラのあわの旅」(理論社刊)、「ごきげんなすてご」シリーズ、「ふたりでまいご」「ねこと友だち」「マンホールからこんにちは」「アイスクリームでかんぱい」「あかちゃんのおさんぽ@A」「ねこのなまえ」(以上徳間書店刊)など多数。「ふたりでまいご」の姉妹編、「ふたりでおるすばん」が徳間書店から11月に刊行予定!
この書籍を作った人
東京で日本語、英語、台湾語を聞きながら育つ。子どもの誕生を機に、児童書の翻訳や創作をはじめる。『木の葉のホームワーク』(講談社)で第60回産経児童出版文化賞翻訳作品賞を受賞。翻訳作品に「グレッグのダメ日記」シリーズ(ポプラ社)、「ワンダー」シリーズ(ほるぷ出版)、『ドッグマン』(飛鳥新社)、『木の中の魚』(講談社)、『ちっちゃなサリーはみていたよ』(岩崎書店)などがある。東京都在住。
この書籍を作った人
北九州市生まれ。独学で絵を描く。『おにたくんやまのぼりだよ』で小学館第14 回おひさま大賞絵本部門最優秀賞を受賞。主な作品に『おおいなるだいずいちぞく』『ぼくはケンちゃん』(以上、偕成社)『めんたいこどりーむ』(講談社)『おにたくんのおにぎり』(ひさかたチャイルド)『とうちゃんはりょうりにん』『ゆびかぞく』(以上、ニコモ)、挿絵作品に『三島由宇、当選確実!』(講談社)、『となりの猫又ジュリ』『オセロのジャムとにじ色トカゲ』(以上、国土社)がある。
文/竹原雅子
編集/木村春子