「ケロポンズ」のますだゆうこさんがストーリーを書き、「colobockle(コロボックル)」のたちもとみちこさんが絵を描く季節のイベント絵本シリーズ5作目『せつぶんワイワイまめまきの日!』が発売になりました。それを記念して、たちもとみちこさんの素敵なアトリエ(!)でお二人にインタビューすることができました。貴重なツーショットに加え、たちもとさんの制作現場を見せていただけるというのですから、ファン垂涎!?見逃す手はありません! 写真もいっぱいご紹介しちゃいます。
弱虫タカシの所へやってきた小鬼のキッチは… 節分の日、弱虫タカシの所へ小鬼のキッチがやってきました。タカシはキッチと、いじめっこになってしまったツヨシの所へむかいます!
●『せつぶんワイワイまめまきの日!』
───最新作『せつぶんワイワイまめまきの日!』は節分のお話。一目見て、たちもとさんの描かれたオニがかわいい〜!と思ってしまいました。いったいどんなお話なんでしょう?
ますだ:節分の日、保育園で「かくれんぼするものよっといで〜」とツヨシが声をかけます。よわむしタカシは、ツヨシにむりやりオニにされてしまうのですが、そこへオニの子「キッチ」があらわれます。ツヨシがいじめっこになったのは「リンリンボウ」っていうオニが憑いてしまったからなんだよ、いっしょにリンリンボウをやっつけよう!・・・というお話です。
───いばりんぼうのオニ、「リンリンボウ」(笑)。子どもに憑くといじめっこになるところは、ますださんの子どもたちへの愛情を感じるような、逆にちょっとこわいような…
ますだ:かくれんぼって、子どもの頃はちょっとこわくありませんでした?「もういいかーい」「もういいよー」と振り返ると、だーれもいなくて、寒空の下に自分ひとり。まわりはしーんとしていて。私自身の子どもの頃の記憶がお話に入りこんでいるのかなと思います。
───「オニは〜そと! ふくは〜うち!」の豆まき行事には、日本人が、オニはいると感じてきたことがあらわれていますよね。
ますだ:昔の暦では立春が新年のはじまり。節分は大みそかにあたります。豆まきをすることで邪気(邪鬼)をはらい、そうして、新しい年の春がやってくるんですね。
───3匹のオニが登場しますが、たちもとさん、描き分けは難しくなかったですか?
たちもと:ますださんが子どもの心で書いているお話の世界に、私自身も子どもになってすーっと入りこんで、自然に絵を描くことができました。
ますだ:オニになってオニの子に連れていかれるという不思議な話なのに、絵にぜんぜん無理がない。
───そうなんですか!? 年齢の数だと思っていました!
ますだ:そうなんですよ〜。行事の絵本を作ると豆知識が増えます(笑)。
●シリーズがはじまるきっかけ
───シリーズ一作目は『ハロウィンドキドキおばけの日!』でしたね。企画はどのようにスタートしたのですか? ハロウィン絵本は発売当時(2008年)珍しかったのではないでしょうか。
ますだ:日本でハロウィンはまだなじみがなくて、子どもたちはどんなふうに遊べばいいのかわからなかったみたい。だからハロウィンが身近になる本を作りたいと出版社から依頼がありました。ノウハウ本ではなく、ストーリー絵本でかつ豆知識も入るお話をと。
───お話を読むとハロウィンがどんなものか自然にわかるようになっていて、豆知識コーナーにはジャックオーランタン(カボチャのおばけ)や仮装おばけの作り方、ハロウィンパーティにおすすめの料理の作り方まで載っていますね。ハロウィンはここ数年ですっかり身近になりました。たちもとさんの参加のきっかけは何ですか?
たちもと:私も出版社からお話をいただいて…。それで最初の頃に一度、飲み会しましたよね。
ますだ:しましたね! 完成したとき打ち上げを兼ねてということで飲み会しました(笑)。その後はしばらくご無沙汰していましたが、すっかり信頼していて毎回絵が出来上がるのが楽しみです。