
【連載】5月の注目の新刊&オススメ絵本紹介 〜こどもの日に読みたい絵本〜

進級・進学など新しいことが目白押しだった4月から、ようやく1か月。大人も子どもも待ちに待ったゴールデンウィークがやってきます。残念ながら、昨年同様、遠出は難しい連休になりますが、子どもの日にオススメの絵本をご紹介します。
●内田麟太郎&山本孝の迫力満点! 行事絵本。
子どもの日オススメ絵本、最初にご紹介するのは、大人気”絵詞(えことば)”作家、内田麟太郎さんと、山本孝さんがタッグを組んでお届けする「行事絵本シリーズ」です。
この二人が描くこいのぼり絵本の主役は、なんとカッパです。
カッパたちが心待ちにしているものとは、いったい何なのでしょう……。
●お家の中でも、クマがりに出かけちゃおう!
次にご紹介するのは、家にいながらにして「クマがり」体験ができる絵本です。
リズミカルで、思わずみんなで声に出したくなるフレーズのくりかえしがクセになる。遠くに出かけられなくても、想像を膨らませれば、ほら、そこにクマが! 家族でワイワイ盛り上がること間違いなしですね。
●行列の先にあるものとは……?
行列を見つけると、ついつい気になって並びたくなってしまいますよね。行列の先に何があるのか……この絵本なら、並ばずにページをめくるだけでその答えにたどり着きます。でも、できるなら1ページ、1ページ登場する動物たちの様子を楽しみながら。次のページではどうなるのかな……?と親子でコミュニケーションを深めながら、行列の終わりを想像してくださいね。
●ママとパパの気持ちを代弁してくれる絵本。
子どもの成長を願う「子どもの日」。これからどんな風に大きくなるんだろう、何に夢中になるんだろう……そんな未来を想像して、こいのぼりや兜を飾るパパママも多いことでしょう。
でも、たまにはこの絵本を手に、今までのことを振り返ってみるのも良いのではないでしょうか。
小説家・西原理恵子さんのベストセラー『女の子が生きていくときに、覚えていてほしいこと』(KADOKAWA)に感銘を受けた、絵本作家・えがしらみちこさんが、子育て中にすべてのパパママの思いを代弁して描いた、メッセージ絵本です。
●未来のパパママへのギフトにもピッタリ。
生まれたばかりの我が子を胸に抱いたとき、「うまれてきてくれてありがとう」。そう声をかけた経験のあるパパママも多いですよね。
小さな小さな赤ちゃんが、どうやってパパママの元にやってきたのか、この絵本にはあかちゃんの長い長い旅が描かれています。
子育て中のパパママはもちろん、プレママ、プレパパへのギフトにもピッタリな一冊。子どもの日、母の日に親子で読んでいただきたい作品です。
「うまれてきてくれてありがとう」
作:にしもとよう
絵:黒井 健
出版社:童心社
「ぼくは、ママをさがしているの。かみさまが、 『うまれていいよ』っていってくれたから・・」 クマくんやぶたくん、ほかの動物たちはみんなママと一緒です。 ぼくのママは、どこにいるの? 「あなたは、世界でたった一人のかけがえのない存在。 うまれてきてくれて、ありがとう。」絵本を通じて、親から子へメッセージを伝えることで、子どもの自己肯定感を育み、かけがえのない命の誕生を親子で喜びあう絵本。
〈著者メッセージ〉
難産だった息子の誕生をきっかけに 生まれた物語です。わが子がうまれてきてくれた喜びを、 たくさんのパパ、ママ、子どもたちに届けられたら嬉しいです。
●「子どもノンフィクション文学賞」大賞を受賞した、少女のリアルな声。
生まれてきた子は全て健康で、健やかであってほしい……誰もが願っていても、病気やケガから逃れることは実はとても難しいことです。病気やケガで入院したとき、その子は何を思い、考えているのでしょう……。
『二平方メートルの世界で』は、脳神経の病気で3歳から入退院を繰り返しているひとりの少女の独白で紡がれるおはなしです。入院中をほぼベッドの上で過ごす少女の世界が彼女の言葉を通して、グッと胸に迫ってくることでしょう。数々の絵本を手がける、はたこうしろうさんの絵と共に、目を背けずに感じてほしい作品です。
「二平方メートルの世界で」
文:前田 海音
絵:はた こうしろう
出版社:小学館
小学生と人気絵本作家の感動作
札幌に暮らす小学3年生の主人公は、生まれたときから脳神経の病気で入退院を繰り返している。入院するとしばらくベッドの上での生活となる。お母さんは一緒にいてくれるが、放射線を使った治療のときは、ガラスを隔てて別々になる。家ではお兄ちゃんが鍵っ子になる。申し訳ない気持ちだ。どうして自分だけが病気なんだろう・・・。そんなある日、海音ちゃんは、病室で大発見をする。わたしはひとりぼっちじゃなかった! 実在の小学3年生が書いた 「子どもノンフィクション文学賞」(北九州市主催)の大賞受賞作品に、当代一の人気絵本作家はたこうしろうが絵をつけた奇跡のコラボレーション。誰も予想できない30ー31ページ目の見開きと、ハートウオーミングなラスト。涙なしには読めない感動作。
【編集担当からのおすすめ情報】
子どもノンフィクション文学賞を、満場一致で受賞した小学3年生の女の子の作文を読んだ人気絵本作家はたこうしろうさんが、その作者・前田海音ちゃんを訪ねて札幌へ。海音ちゃんが見ている札幌の街の風景や、小学校、そして病院を描いた。なにより、海音ちゃんの心を描いた絵本です。