ここは いよのくに、まつやまは かっぱまちです。
街を行き交うのはかっぱたち。みんなどことなくウキウキしています。なぜって明日は「いい日」、特別な日なんです。
「五月の あおぞらよりも、もっと もっと、こころの はれわたる日ですから。」
明日のためにみんな温泉に入って身体を清めます。温泉は、子どもからお年寄りまで集まったかっぱたちで大賑わい。
かわうそやサンショウウオ、えびなど、川の仲間たちも、かっぱ街にやってきて、前祝いのお祭りで盛り上がります。
いよいよ「いい日」当日の朝がやってきました。空も見事な五月晴れ、みんな街の広場へ向かいます。さあ、いったいどんなことが待っているのでしょう・・・?
水の中にあるかっぱまちですが、坊ちゃん列車が走り、道後温泉に温泉街、松山の風景がちりばめられています。絵を描いているのは、松山出身の絵本作家、山本孝さん。すみずみまで細かく描き込まれた絵は遊び心いっぱい。かっぱたちはこんな風に暮らしているんだなぁなんて、眺めているだけでワクワクしてしまいます。
内田麟太郎さんと山本孝さんのコンビが描く行事絵本シリーズ最終巻。
ラストに待っているのは、最高に気持ちのいい景色!壮観の一言です。
「こどもの日」、みんなで子どもの成長を祝う日を、人間と同じようにかっぱも水の中でお祝いしているなんて、なんだか幸せな気持ちになりますね。
かっぱたちが毎年待ちこがれているこの景色が見たくて、何度も絵本を開いてしまいます。
(掛川晶子 絵本ナビ編集部)
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