ゴーシュは動物たちの助けをかりてセロの練習をします。「賢治を描いては最高」といわれる画家の絵をそえて1冊に仕上げられた、文学のすばらしい贈り物です。
子どもの頃、家の本棚にこの本がありました。いつからあったのかはわかりませんが、賢治が好きだった母が自分のために買った本だったように思います。家にある他の賢治の作品は絵本ではなかったので、小学校低学年の頃の私にとって宮沢賢治といえば、まずゴーシュでした。
茂田井武さんの力強い絵は子どもに媚びるような絵ではなく、話の躍動感と共に圧倒的な存在感で私の心に焼き付いています。松居直さんの著書「絵本のよろこび」の中でこの作品の出版秘話が書かれていますが、茂田井さんは病床の身をおしてこの作品を描き上げたそうです。私にとって最初の賢治がゴーシュで良かった、最初に読んだゴーシュがこの作品で良かったと心から思います。 (ままぱんさん 30代・ママ 男の子6歳、男の子1歳)
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