山奥に住むことろのばんばのふしぎな壷に、兄が吸いこまれてしまうのを見た妹は、山の神に姿を消すおまじないを教わります。
昔々、男の子と女の子がおじいさんと住んでいて、2人が山に栗拾いに行くと、つぼを持ったばんばが近づいて「こーとろ、ことろ」・・・。
そうすると男の子はあっという間につぼの中へ吸い込まれてしまいました。
男の子を助けるために女の子は山の神さんの力をかりて、ばんばの住む岩屋へ・・・。
ばんばがお酒を飲んで眠ったすきに、つぼを割り、捕まっていた大勢の子ども達と一緒に逃げ、谷にかかる橋を落として助かる。というお話です。
たまたまこのお話を大きなおばあちゃん(曾祖母)の前で息子に読み聞かせていたら、
「ことろ」とは子捕ろで、子供をさらっていってしまう妖婆のことを指すということを知りました。
昔から、子供は日が暮れるまで遊んでいないで早く帰りなさいという教えとしてわらべ歌にあるそうす。
絵本では、ばんばの凄みのきいた顔や山の風景がすみずみまで描かれています。表紙じたいすごく怖い感じです。
特にばんばの登場する場面は、子供をおはなしの世界に惹きこんでしまい、ばんばに捕まってしまうのではないかという錯覚させる力があるように感じました。
息子も怖いなあといいながらも、何度も何度も読んでといっています。
民話ではないようですが、日本の昔話といった感じでとてもよい絵本だと思いました。
「こーとろ、ことろ」などは、是非に凄みのある声で読んでください。面白さが倍増します。 (Sayaka♪さん 20代・ママ 男の子4歳)
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