北海道・アイヌの人達は、自然界に存在するもの全て、
カムイ(神)の恵みにより生かされていると信じているとか・・・。
その中でも、しまふくろうは、
コタンコルカムイ(村の守り神)として、最高の神なのだそうです。
この絵本のしまふくろうも、
人間の生き様を静かに見据えているような凛とした姿が描かれています。
この絵本の魅力は、
何といっても版画の力にあると思います。
手元からぐっと離して、
版画絵だけでストーリーをたどってみると・・・!。
深い闇に浮かび上がるしまふくろうの姿が胸に迫ってきます。
手島圭三郎氏の絵本には、
文字を持たないアイヌの人達が、
口承で伝えてきたユーカラ(詩のようなもの)を題材にしたものが、
数多くありますが、
これらの絵本が、その心をくみ取り、
危機に直面している自然や、
アイヌの文化にも目を向けるきっかけとなれば・・・と思います。