一般の人が飼うことができない天然記念物のニホンカモシカとはいえ、生まれた直後に親とはぐれケガをしていたら、生き延びることはできなかったでしょう。
しかし、短期間でも人間に育てられると、完全に野生に帰るのは難しいようです。
カネオさんたちは山に返したつもりでも、フクにしてみればなぜ山奥に置いて行かれたのか理解できなかったでしょう。
その昔、乱獲してしまったのも人間なら、天然記念物に指定したのも人間です。
フクはただ、育ての親を忘れていなかったということ。
ドキュメンタリー映画を見たような読後感でした。